高電圧遮へい電源システムによる試験サービス開始:EVやHV搭載の車載機器を対象に
OKIエンジニアリング(OEG)は、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)に搭載される車載機器を対象に、高電圧遮へい電源システムによるEMC試験サービスを始めた。
CISPR25:2016 Annex Iを熟知する技術者も育成
OKIエンジニアリング(OEG)は2020年8月、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)に搭載される車載機器を対象に、高電圧遮へい電源システムによるEMC試験サービスを始めた。
EVやHVに搭載されるモーターやバッテリー、インバーターなどは高電圧化が進んでいる。特に、バッテリー電圧は、現行の400Vから800Vへと移行が始まった。このため、電源供給や信号通信に用いるハーネスも、高電圧対応品と低電圧対応品が混載されるようになった。この結果、高電圧側のハーネスから生じる電気的ノイズが、低電圧側のハーネスに干渉して、悪影響を与える可能性が高まっている。
そこでOEGは、1000Vの双方向高電圧直流電源と高電圧用疑似回路網および、シールドボックスを導入し、高電圧遮へい電源システムによるEV/HV向けEMC試験サービスを始めることにした。設備導入に合わせ、EV/HV向け高電圧電源製品の評価方法を定めた国際規格「CISPR25:2016 Annex I」を熟知した技術者も育成した。
同社が提供するEMC試験サービスでは、シールドボックス内部に設置した高電圧用疑似回路網と被測定物を接続して車体を模した銅板上に置く。そして双方向高電圧直流電源より高電圧用疑似回路網を介して被測定物に電流を流す。こうした測定環境で、高電圧用と低電圧用のハーネス間で発生するノイズ干渉が、車載機器にどのような影響を与えているかを検証する。価格は個別見積もりとなる。
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