米政府、SMICのエンティティリスト追加を検討か:SMICは「非常に困惑」
SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corp.)は、米政府が同社をブラックリストに追加する可能性があるとの報道にショックを受け、困惑していると述べた。
SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corp.)は、米政府が同社をブラックリストに追加する可能性があるとの報道にショックを受け、困惑していると述べた。
ロイター通信は、トランプ政権が、中国最大のファウンドリーをエンティティリストに加えるかどうかを検討していると、匿名の米国防総省関係者の話を引用して報じた。
SMICは、事業を行う全ての管轄区域の法規制を厳格に順守しているとWebサイトで声明を発表した。同社は、「チップを製造し、民間および商用の顧客と最終製品のためにのみ、サービスを提供している」と主張する。
SMICは声明の中で、「当社と中国軍の関係についてのいかなる推測も虚偽の記述であり、誤った告発である。われわれは、今回の報道に大きなショックを受け、当惑している」としている。「SMICは、こうした潜在的な誤解がとけるよう願い、米政府機関との誠実かつ透明性のあるコミュニケーションを図っている」(SMIC)
もしSMICがエンティティリストに追加された場合に影響を受ける主要な米国企業は、Lam Research、KLA-Tencor、Applied Materialsなどだろう。
ロイター通信によると、トランプ政権は、中国軍を支援する中国企業に、ますます照準を定めている。2020年8月、米国は、南シナ海での開発や軍事行動に関与しているとされる24の中国企業あるいは個人をエンティティリストに追加した。
ロイター通信によれば、米国防総省は過去数カ月の間に、中国人民解放軍が所有または管理しているとする中国企業のリストを2つ発表したという。トランプ大統領が、これらの企業をさらに厳しいブラックリストに追加する可能性もあるが、今のところはそうした措置は取られていないようだ。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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