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リフローの温度バラツキを10℃以内に縮める福田昭のデバイス通信(270) 2019年度版実装技術ロードマップ(78)(2/2 ページ)

前回に続き、実装設備に要求する項目のアンケート結果を紹介する。今回は「リフロー(リフローはんだ付け装置)」に対する要求と対策を説明する。

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8つの加熱ゾーンと強い加熱力で基板面内の温度バラツキを抑える

 重要度の高い要求項目への代表例として、第1位「基板面内温度バラツキ±5℃以内」に対応したリフロー装置を挙げよう。加熱力を高めることが基本であり、さらに、加熱ゾーンを細かく分割することで加熱温度を高い精度で制御している。現行機種では7つあるいは8つの加熱ゾーンを設けたものが多い。末尾の3ゾーンがリフロー部で、手前の加熱ゾーンはプリヒート(予備加熱)部となっている。


リフロー(リフローはんだ付け装置)に対する要求の重要度でトップの「基板面内温度バラツキ±5℃以内」に対応した事例。上はリフロー装置の断面図。「ZONE」とあるのは加熱ゾーン、右端は冷却ゾーン。下はプリント基板の温度プロファイル。縦軸は温度、横軸は時間。プリント基板はコンベアによって左から右へ運ばれるので、横軸はリフロー装置内(上図)におけるプリント基板の位置に対応する。出典:JEITA(クリックで拡大)

 また重要度の順位は低いものの、「ラインスピードの高速化」(第11位)と「高機能な設備の省スペース化」(第12位)に対処したリフロー装置が最近は開発・商品化されている。1つは「デュアルレーン」や「デュアルコンベア」などと呼ばれるタイプで、1つの筐体内に2つの搬送コンベアラインを設けたリフロー装置である。2枚のプリント基板を並列にはんだ付けするので、実効的にラインスピードが上がるとともに、2台のリフロー装置をレイアウトする場合に比べて省スペースとなる。

 もう1つは、「デュアルチャンバー」や「ダブルチャンバー」などと呼ばれるタイプで、2つの搬送コンベアライン(搬送レーン)を設けており、さらに各ラインが独立したチャンバー(加熱ゾーン)を有するリフロー装置である。「デュアルレーン」タイプが備える利点に加え、各レーンでプリント基板の温度プロファイルを独立に設定できる、メンテナンスを独立に実施できるといったメリットを有する。

次回に続く

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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