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EtherCATの機能安全対応版ソフトウェアを発売ルネサスがRXマイコン向けに

ルネサス エレクトロニクスは、産業イーサネット通信規格「EtherCAT」の機能安全対応版ソフトウェア「FSoE(Functional Safety over EtherCAT)アプリケーションソフトウェアキット」を発売する。

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FSoE搭載機器の開発期間を短縮へ

 ルネサス エレクトロニクスは2020年9月、産業イーサネット通信規格「EtherCAT」の機能安全対応版ソフトウェア「FSoE(Functional Safety over EtherCAT)アプリケーションソフトウェアキット」を発売すると発表した。機能安全に対応した「RXマイコン」と「ソフトウェア」に加え、FSoEのプロトコルスタックも一括して入手可能となる。

 ルネサスは、機能安全の国際規格である「IEC61508 SIL3」の認証取得に向けて、マイコン単体の自己診断から、ユーザーが開発した機器の認証まで全面的にサポートする産業機器向け機能安全ソリューション「RX Functional Safety」を提供している。これを活用することで、認証取得までの期間を1年以上も短縮できるという。


機能安全対応版ソフトウェア「FSoE(Functional Safety over EtherCAT)アプリケーションソフトウェアキット」のイメージ 出典:ルネサス エレクトロニクス

 RX Functional Safetyは、マイコン単体の自己診断を行う「RX Functional Safety−セルフテストソフトウェアキット」や、マイコン二重化構成に必須の相互診断などと複数のソフトウェアを分離する機能を有し、SIL3認証を取得している「RX Functional Safety−SIL3システムソフトウェアキット」、マイコン二重化構成の参照回路設計と評価用ボードにもなる「RX Functional Safety−レファレンスハードウェアボード」、ユーザーが機器全体で認証を取得するためのノウハウをまとめた「RX Functional Safety−レファレンスドキュメント」および、「RX Functional Safety−認証済みCCRX安全コンパイラと認証キット」からなる。

 そして今回、FSoEアプリケーションソフトウェアキットを、RX Functional Safetyに追加した。FSoEスレーブ機能を容易に実現するための総合アプリケーションソフトウェアで、産業イーサネット規格団体「ETG(EtherCAT Technology Group)」が公開しているFSoEの仕様に基づいたものである。専用の設定ファイルを用い、製品ごとに異なる安全データとパラメータを簡単に設定できるという。一例だがこのキットを活用すると、危険を知らせるためのアラーム動作や緊急停止させるための通信機能を、RXマイコンへ比較的容易に実装することが可能である。

 FSoEアプリケーションソフトウェアキットの参考価格(税別)は、最低200万円となっている。

 なお、RX Functional Safetyはこれまで、「RXv1」と「RXv2」コア搭載のマイコンを対象としてきたが、今回よりRXv3コアを搭載する全てのマイコン(RX72M、RX72N、RX72T、RX66N、RX66T)も、その対象となった。

 さらに、Armコア搭載のRAファミリー「RA4M1」「RA6M1/M2/M3」に対応するマイコン単体の自己診断用ソフトウェアもIEC61508認証を取得、2020年9月から無償で提供を始めている。

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