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航空電子、額縁レスで全面透明のタッチパネル開発:CIDやカーナビなどの用途に提案
日本航空電子工業は、額縁配線がない全面透明の静電容量式タッチパネル「Full Touch Sensor」を開発した。車載向けの他、公共交通機関やデジタルサイネージといった用途に向ける。
メタルメッシュセンサー技術を活用
日本航空電子工業は2020年10月、額縁配線がない全面透明の静電容量式タッチパネル「Full Touch Sensor」を開発したと発表した。CID(センターインフォメーションディスプレイ)やカーナビゲーションといった車載向けの他、公共交通機関やデジタルサイネージなどの用途に向ける。
同社は、印刷や貼り合わせの技術と、適切な素材との融合により、新たなユーザーインタフェースソリューションを生み出すコア技術「FLEXCONVERT」を開発してきた。このFLEXCONVERTを活用して開発、量産しているのが車載向けのメタルメッシュセンサーである。
開発したFull Touch Sensorは、メタルメッシュセンサー技術と独自の配線技術によって、額縁配線がない静電容量式タッチパネルを実現した。感度が高く大きい画面に対応することができ、外周部もタッチ可能といった特長を持つ。操作性はもとより、ディスプレイのデザイン性を、より高めることが可能である。
Full Touch Sensorの厚みは、ガラス基材が1.1mm、フィルム基材は0.1mm(開発中)で、動作温度範囲は−30〜85℃、保存温度範囲は−40〜95℃である。また、各種静電コントロールICに適合している。
Full Touch Sensorは、2020年10月20日から4日間開催される、「CEATEC 2020 ONLINE」に出展する。
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