車載ディスプレイ部材の出荷量、2021年に回復:矢野経済研究所が調査
車載ディスプレイ部材の出荷数量は、2019年に比べ2020年は減少するが、2021年には2019年水準まで回復するとの見通しである。矢野経済研究所が調査結果を発表した。
非接触による画面操作など新たなニーズにも対応
矢野経済研究所は2020年7月、車載ディスプレイ部材について世界市場を調査し、タッチパネル(TP)や前面板などの需要予測を発表した。車載ディスプレイ部材の出荷数量は、2019年に比べ2020年は減少するが、2021年には2019年水準まで回復するとの見通しである。
今回の調査は、抵抗膜方式や静電容量方式の車載用タッチパネル、ディスプレイおよびタッチパネル用カバー(前面板)、ディスプレイカバー用インサートモールド加飾フィルム、OCA(フィルム状の粘着材)、OCR(シリコーン系やアクリル系の光学接着材料)、反射防止フィルムやモスアイフィルムといった光学フィルムなどの部材を対象とした。調査期間は2020年5〜6月である。
世界市場における自動車の生産台数は、8800万〜8900万台の規模で推移してきた。2020年は新型コロナ流行の影響もあり2019年に比べ、2割以上の落ち込みとなりそうだ。
車載ディスプレイ部材の出荷数量は、自動車生産台数が減少する影響を受けつつも、メーター類のディスプレイ化やCID(Center Information Display)搭載率の拡大などにより、自動車1台当たりの搭載率が増加する。画面サイズの大型化なども需要増を後押しする。また、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やサイドミラー、リアビューミラーといったミラー系ディスプレイなど、新たな用途も拡大しているという。
こうした状況から、車載ディスプレイの主要部材について、2020年の世界出荷数量は2019年に比べ縮小するが、2021年は再び2019年のレベルまで回復すると予測した。また、車載ディスプレイとその関連部材に対する要求として、これまでの視認性向上や大画面化、曲面対応、軽量化、シームレス化などに加え、非接触のセンシング機能による画面操作など、新たなニーズも顕在化している。
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