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SDK「Qiskit」で量子コンピュータの利用を促進IBM

量子コンピュータでは、アクセスのしやすさと使い勝手の良さを両立した開発環境に対するニーズが高まっている。IBMは量子コンピュータ用のSDK(ソフトウェア開発キット)「Qiskit」によって、ユーザーにとって、量子コンピュータの複雑さが分からなくなるほど容易にプログラミングを行える環境の構築を目指している。

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 量子コンピュータでは、アクセスのしやすさと使い勝手の良さを両立した開発環境に対するニーズが高まっている。IBMは量子コンピュータ用のSDK(ソフトウェア開発キット)「Qiskit」によって、ユーザーにとって、量子コンピュータの複雑さが分からなくなるほど容易にプログラミングを行える環境の構築を目指している。

 IBM QuantumでQuantum Platform Leadを務めるBlake Johnson氏は、米国EE Timesとのインタビューの中で、量子技術は大きな成功を収めつつあり、将来の普及拡大に向けてソフトウェア基盤を構築する必要があると語った。

 Qiskitは、量子回路を作成しアルゴリズムの実装を行うものだ。このソフトウェアインタフェースを用いれば、開発者はPythonスクリプトを使って量子アルゴリズムをプログラムできるようになる。

 Johnson氏は「量子コンピュータの性能は量子回路に依存する。従来型のコンピュータでは手に負えない、あるいはアクセスできない量子計算でも、量子回路ならば対処することができる。それは、量子コンピュータの主なバリュープロポジション(価値ある提案)のようなものだと言える。また、優れた回路とは量子ビットの幅や数のみではなく、その深さにも基づくものだ」と述べた。

 量子計算を体験できる「IBM Quantum Experience」の目標は、OpenQASMを通じて始まったプログラミングが基礎的な量子の論理演算(ゲート)のレベルでの表現をもたらすよう付加価値を提供し、量子回路の開発を保証することだった。Johnson氏は「それとは別に、われわれは研究者に対し、現実のハードウェア上のノイズを理解する可能性や、誤差の軽減を通じてより良いゲートを設計する可能性をもたらした」と語っている。

 Johnson氏は「ソフトウェア開発の観点から、カーネルツールを構築し、アルゴリズム開発者を育成することは、より高度なシステムを築くプロセスの一つである。そのようなプロセスには、より優れたゲートや回路の構築も含まれる。そうした回路を用いれば、システムの能力を拡張することができるからだ。優れたデバイスを作ることだけを目指すのではなく、人々が一定の演算を行う上で役立つ何かを行うことも目標である。今日の多くのソフトウェア開発者は生産性が高く、トランジスタやマイクロコード、アセンブリコードについて一度も考えることなく、非常に多くの有用な仕事を行っている」と述べた。

 古典的なコンピューティングソフトウェアを、ユーザーがわずか数行のコードでアプリケーションやWebサイトを構築できるくらい最適化するまで、50年以上の歳月がかかった。量子コンピュータも、今後数年のうちに同様のプロセスをたどる必要があるだろう。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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