Qualcommら3社、商用5Gで5Gbpsの下り速度を達成:オーストラリア・ゴールドコーストで
Qualcommは2021年1月19日(米国時間)、オーストラリアの通信事業者であるTelstra(テルストラ)、EricssonおよびQualcomm Technologiesが、5G(第5世代移動通信)商用ネットワークにおいて5Gビット/秒(bps)のダウンロード速度を達成したと発表した。5Gbpsという速度は「世界初」とする。
Qualcommは2021年1月19日(米国時間)、オーストラリアの通信事業者であるTelstra(テルストラ)、EricssonおよびQualcomm Technologiesが、5G(第5世代移動通信)商用ネットワークにおいて5Gビット/秒(bps)のダウンロード速度を達成したと発表した。5Gbpsという速度は「世界初」とする。
3社はオーストラリア・ゴールドコーストの「5G Innovation Centre」で、5Gbpsでの通信に成功したという。これまでは、2020年9月に達成した4.2Gbpsが最高記録だった。
具体的には、Ericssonのミリ波向け基地局「Streetmacro 6701」を採用した商用ネットワークと、Qualcommの5Gモデムチップ「Snapdragon X60 5G Modem-RF System」および第3世代のミリ波アンテナモジュール「QTM535」を搭載したスマートフォン形状のテストデバイスを用いて、通信を行った。5Gのn257ミリ波帯における100MHz帯域幅×8キャリアのCA(キャリアアグリゲーション)と、LTE帯域7の20MHz幅×2キャリアのCAによる、合計840MHzによって5Gbpsを達成した。
これにより、Telstraのユーザーは、より高速な通信を体験できるようになると、Qualcommはリリースで述べている。
Qualcomm Technologiesの4G/5G担当シニアバイスプレジデントでジェネラルマネジャーを務めるDurga Malladi氏はリリースで、「下り速度5Gbpsというマイルストーン達成に貢献できたことを誇りに思う。ミリ波を使用する5Gは、消費者や企業にとって多くの新しいユースケースを可能にするだけでなく、既存のモバイル機器の多くが、その強化されたネットワーク容量やマルチギガビットの高速通信、低遅延を活用できるようになる」と語った。
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