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3D NANDフラッシュメモリの開発ロードマップ福田昭のストレージ通信(183) アナリストが語る不揮発性メモリの最新動向(10)(2/2 ページ)

今回から、TechInsightsのJeodong Choe氏による講演の内容を紹介する。まずは、3D NANDフラッシュメモリ各社の開発ロードマップを解説している。

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2022年には160層〜192層の量産が始まる

 始めは3D NANDフラッシュメモリ(以降は「3D NANDフラッシュ」と略記)各社の開発ロードマップである。次世代(N+1世代)のワード線積層数は、Samsung Electronicsが16X層あるいは192層、キオクシアが112層、SK hynixが176層、Micron Technologyが128層(チャージトラップ方式)、Intelが144層(フローティングゲート方式)、YMTCが128層と推測する。

 また3D NANDフラッシュよりもはるかに高速な不揮発性メモリでは、SamsungのZ-NAND、キオクシアのXL-FLASH、MicronのXPoint X100、IntelのOptane XPoint2(DCPMM200)がある。


3D NANDフラッシュ各社の開発ロードマップ(配布資料)。2014年〜2023年の詳細は省略されている。出典:FMS 2020の講演「Technology Trend:NAND & Emerging Memory」の配布資料(クリックで拡大)

 なお配布資料では3D NANDフラッシュ各社の開発ロードマップが省略されていた。実際の講演スライドでは詳細が示されていたので、2019年〜2023年の開発動向についてふれておこう。

 2019年は各社とも96層品(あるいは92層品)の量産を開始した。上位4社(グループ)の最上位品はほぼ横並びだ。多値記憶はTLCあるいはQLCである。シリコンダイの記憶容量は256Gbit/512Gbi/1Tbit/1.33Tbitと幅広い。

 2020年は96層の次の世代へと切り換わり始める年となる(注:講演の時期は2020年11月)。Samsungは128層品、キオクシア-Western Digital(WD)連合は112層品、MicronはIntelとの連合を解消して初めての開発品である、チャージトラップ方式の128層品を製品化した。Intelはフローティングゲート方式で開発を継続し、144層品の生産を始める。SK hynixは128層品を製品化する。

 2021年は、2020年に生産を始めた世代の量産を本格化させる年となる。次の世代の生産開始は2021年末から2022年の始めになるだろう。先ほど説明した「N+1世代」におおむね相当する。そして2023年には200層を超える超高層の3D NANDフラッシュが登場する。


3D NANDフラッシュ各社の開発ロードマップ(講演スライドの抜粋)。出典:FMS 2020の講演「Technology Trend:NAND & Emerging Memory」のスライド(一部)(クリックで拡大)

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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