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ホシデン、ペロブスカイト型太陽電池事業に参入:タッチパネル製造ラインを活用
ホシデンは、ペロブスカイト型太陽電池事業に参入する。滋賀にある関係会社のタッチパネル製造ラインを活用して生産を行う。2021年中にサンプル品の出荷を始め、2023年より量産を開始する予定。
将来は韓国やベトナムの製造ライン活用も視野に
ホシデンは2021年4月、ペロブスカイト型太陽電池事業に参入すると発表した。関係会社のホシデンエフディ(滋賀県)内にあるタッチパネル製造ラインを活用して生産する。2021年中にサンプル品の出荷を始め、2023年から量産を開始する予定。
ペロブスカイト型太陽電池は、可視光領域の波長を吸収するため、シリコン系太陽電池に比べて光電変換効率が高い。晴天時だけでなく、曇天時や低照度の室内光においても高い発電効率を維持できる。また、基材として薄型ガラスやフィルムを用いれば、軽量の太陽電池を作製することが可能である。さらに、低温プロセスで製造できるため、製造時の電力消費も少なくて済むなど、さまざまな特長を備えている。
そこで同社は、製造プロセスで親和性の高い、タッチパネル製造ラインの設備を有効活用し、ペロブスカイト型太陽電池の事業化に乗り出すことにした。2022年には量産対応の設備を導入し、2023年から本格量産を始める計画である。
なお、将来的には、滋賀の製造ラインに加え、韓国やベトナムにあるフィルム基材タッチパネルの製造ラインを活用することも視野に入れ、ペロブスカイト型太陽電池を量産する予定である。
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