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村田製作所、2020年度は売上高・利益とも過去最高に主力のMLCCが好調

村田製作所は2021年4月28日、2021年3月期(2020年度)通期の決算説明会を行った。2020年度の売上高は前期比6.3%増となる1兆6302億円、営業利益も前期比23.7%増の3132億円となり、売上高、営業利益とも過去最高となった。

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 村田製作所は2021年4月28日、2021年3月期(2020年度)通期の決算説明会を行った。2020年度の売上高は前期比6.3%増となる1兆6302億円、営業利益も前期比23.7%増の3132億円となり、売上高、営業利益とも過去最高となった。純利益は2371億円。営業利益率は19.2%で、前期比2.7ポイントの上昇となっている。


2021年3月期(2020年度)の業績概要 出典:村田製作所(クリックで拡大)

 製品別では、コンデンサーの売上高が6265億円で前期比12%増となった。圧電製品では、圧電センサーがカーエレクトロニクス向けで減少。その他コンポーネントではリチウムイオン二次電池が、モジュールでは樹脂多層基板(「メトロサーク」)がスマートフォン向けで減少した。

 村田製作所の上席執行役員で、企画管理本部 経理・財務・企画グループ統括部長の南出雅範氏は、「樹脂多層基板やリチウムイオン二次電池の売上高がやや減少したものの、主力製品である積層セラミックコンデンサー(MLCC)が幅広い分野で堅調であることに加え、インダクター、コネクティビティモジュールがPC向けで増加、高周波モジュールもスマートフォン向けで増加した。その結果、為替変動の影響があったにもかかわらず、増収となった」と説明した。


2021年3月期(2020年度)の製品別売上高 出典:村田製作所(クリックで拡大)

 受注残高は、2021年3月末時点で4343億円で、過去最高を更新した。「2020年度第4四半期(2021年1〜3月期)の受注は、前年が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で受注が少なかったこともあり、幅広い用途で受注が増加し、前年同期比で大幅に増加した」と南出氏は説明する。「スマートフォン市場では中華系スマートフォンメーカーが生産を増加し、消費者市場では、半導体の供給が回復したあとの生産拡大に向けて在庫を積み増しする動きが見られる」(同氏)

不透明さ続くも、需要増の見込み

 2021年度(2022年3月期)の見通しについては、売上高が1兆6600億円、営業利益が3200億円、純利益が2400億円を計画。「COVID-19の収束がいまだ見通せず、米中対立も続いていて、先行きは不透明。エレクトロニクス市場では半導体不足などサプライチェーンの混乱が一部で見られるものの、5G(第5世代移動通信)の進展や、自動車の生産台数回復などで電子部品の需要は拡大する見通しだ」(南出氏)

 モジュールが、スマートフォンの設計変更などで減少するものの、コンデンサーがカーエレクトロニクスおよびスマートフォン向けで増加するとみて、前期比増収を見込む。

左=2022年3月期(2021年度)の業績予想/右=製品別の売り上げ予想 出典:村田製作所(クリックで拡大)

 部品需要においては、特に自動車において、COVID-19による生産減から大幅に回復し、強い需要があるとみている。スマートフォンにおいても、販売台数を超える部品取り込みが見られたとして需要増、PCでもリモートワークやオンライン教育によって高水準の需要が続くとした。

 5Gスマートフォンの2021年度の出荷台数については「部品取り込みベースで6.1億台と見込んでいる」(南出氏)。そうした需要に応えるべく「MLCCについて、2021年度は、2020年度比で10%程度の生産能力増を見込んでいる」(同氏)とする。2021年度の設備投資額は、2020年度から367億円の減少となる1600億円を予定している。ただし、生産設備向けの設備投資は前年度と同程度の900億円を計画していて、「顧客のニーズに合わせた設備投資になっているのではないか」(同氏)

 2020年度内に量産を開始するとしていた全固体電池については、「現在、プロモーションを図っている段階。2021年度の前半に少量ながら生産を開始する計画だ。同年度の後半には、主にウェアラブル機器をターゲットに生産能力を増強していく」(南出氏)と述べた。

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