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IntelがSiFiveに20億ドルで買収提案かBloombergが報道

Intelが、SiFiveを20億米ドルで検討する初期段階にあると報じられた。SiFiveはRISC-VベースのプロセッサコアのIP(Intellectual Property)を手掛けている。

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 Intelが、SiFiveを20億米ドルで買収する方向で初期検討に入ったと報じられた。

 Bloombergが2021年6月11日に報道したところによると、SiFiveはIntelのみならず複数の企業から買収提案を受けていることから、アドバイザーと協議しているという。SiFiveは、こうした買収提案を受け入れるか、もしくはより長い期間独立を維持して、さらなる資金を調達するかを熟考しており、現時点では後者の方が望ましいとしているという。

 SiFiveは、2020年8月に6100万米ドルを調達し、これまでに総額で1億9000万米ドルを獲得している。Intelの投資機関であるIntel CapitalやQualcomm Ventures、SK hynix、Western Digitalなどが出資している。その後SiFiveは、元Qualcommの幹部であるPatrick Little氏を新しいプレジデント兼CEO(最高経営責任者)として迎えた。


SiFive プレジデント兼CEOのPatrick Little氏

 Little氏は、米EE Timesのインタビューで、「RISC-Vが変曲点にあり、チャンスを見いだして入社した」と語った。同氏はRISC-VのISA(命令セットアーキテクチャ)が、多様で断片的な組み込みアプリケーション市場の一部を開放する可能性があるとも述べた。

 Little氏は、異なるプロセッサアーキテクチャ(特にArm)の補完性を指摘する一方で、NVIDIAとArmの連携に対する業界の風当たりの強さについても言及した。同氏は「Armのエコシステムが必要になることは多々あるが、顧客/ユーザーがターゲットを絞った差別化を求めている場合には、当社がそこに価値を提供できるだろう。多くのアプリケーションのSoC(System on Chip)において、RISC-Vコアは、Armコアの隣に搭載されている。われわれはこれまで多くの設計をともに行ってきたし、それは今後も続く」と続ける一方で、「Armの成功は明らかにその中立性に起因しているが、RISC-VはオープンなISAであるため、閉鎖的となる可能性はない」と付け加えた。「ほとんどの企業は、運用戦略の一環としてオープンISAへの移行を検討していた。だが今では、戦略上の“必須事項”として、オープンISAへの移行を真剣に検討している」(Little氏)

高まるRISC-Vへの関心

 SiFiveへの買収提案は、Intelが、Armへの対抗策を強化するために行ったように見えるかもしれないが、SiFiveには、潜在的な買収提案側にとって魅力的に見える、ある種のけん引力がある。SiFiveは最近、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)、Dialog Semiconductor、Samsung Foundry、そしてIntel Foundry Serviceとパートナーシップを提携した他、TSMCの5nmプロセスを使用したシリコンのテープアウトも行っている。ルネサスは、SiFiveのコアIPポートフォリオのライセンスを取得し、ハイエンドの車載用RISC-Vソリューションを共同開発している。

 Little氏が指摘しているように、NVIDIAによるArm買収の報道以降、RISC-Vに対する関心と機会が高まっている。とりわけ米国から半導体関連で厳しい規制を受けている中国では、その傾向が強い。

※なお、RISC-Vを採用する企業も含め、有望なスタートアップ100社をまとめた「EE TimesのSilicon 100」は、間もなく第21版が発行される。

 RISC-Vを採用するスタートアップに加えて、Huawei傘下のHiSiliconは2021年5月、米国の規制を克服するために、Huaweiの独自OS「Harmony OS」開発者向けに、初のRISC-Vボード「HiSilicon Hi3861」を発表した。中国では、ISCAS(Institute of Software at the Chinese Academy of Sciences)が開発している「2K RISC-VノートPC」プロジェクトが進んでいる。RISC-Vワーキンググループに投稿されたある開発チームのコメントによると、ISCASは、RISC-Vの命令セット「RV64GC」に準拠したノートPCを、2022年末までに2000台製造するプロジェクトの一環として、いくつかの移植開発に取り組んでいるという。開発者のWei Wu氏は、「RISC-Vソフトウェアのエコシステムには、ハードウェアの準備が整ったときにはサポートされているべき『大きな欠落』がまだいくつか存在する。例えば、主なブラウザを利用できるようにすること、というのは、最も多い要求事項だ」と記載している。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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