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NDK、超低位相雑音の恒温槽付水晶発振器を開発:最高レベルのフロアノイズ特性
日本電波工業(NDK)は、位相雑音が極めて低い恒温槽付水晶発振器(OCXO)「NH37M28LP」を開発、2021年10月からサンプル出荷を始める。計測器やレーダーシステム、医療機器、マイクロ波の基準信号といった用途に向ける。
100MHzからの逓倍などで、約30〜50dBも性能を向上
日本電波工業(NDK)は2021年7月、位相雑音が極めて低い恒温槽付水晶発振器(OCXO)「NH37M28LP」を開発、2021年10月からサンプル出荷を始めると発表した。計測器やレーダーシステム、医療機器、マイクロ波の基準信号といった用途に向ける。
NH37M28LPは、公称周波数が100MHzで、装置内で10MHzから逓倍をしていたこれまでと比べて、20dBの性能向上が期待できるという。しかも、新製品は独自の低ノイズ回路を採用するなどして、フロアノイズ特性は世界最高レベルを達成している。オフセット周波数が100kHz時の位相雑音は代表値で−185dBc/Hzである。出力部にも独自の正弦波出力回路を採用してノイズを抑えた。これらのフロアノイズ特性を考慮すると、実際には約30〜50dBの性能向上が期待できるという。回路規模を小さくすることも可能だ。
NH37M28LPの動作温度範囲は−20〜70℃(オプションで−40〜85℃)、周波数温度特性は最大±100×10-9、電源電圧は5V、パッケージの外形寸法は36×27.0×19mmである。
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