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日本電波工業、超低位相雑音の小型VCXOを開発:ノイズフロア特性を9〜12dB改善
日本電波工業は、位相雑音が極めて小さい小型VCXO(電圧制御水晶発振器)「NV13M09WU」を開発したと発表した。5G(第5世代移動通信)基地局用装置などの用途に向けて、2021年6月よりサンプル出荷を始める。
5G基地局用装置などのニーズに対応
日本電波工業は2021年5月、位相雑音が極めて小さい小型VCXO(電圧制御水晶発振器)「NV13M09WU」を開発したと発表した。5G(第5世代移動通信)基地局用装置などの用途に向けて、2021年6月からサンプル出荷を始める。
NV13M09WUは、業界最高レベルのフロアノイズ特性を実現した。オフセット周波数100kHz時の位相雑音は代表値で−178dBc/Hz、オフセット周波数1MHz以上のときは代表値で−180dBc/Hzを実現した。同社従来品(NV13M09WS)に比べて、オフセット周波数100kHz以上の範囲で、9〜12dBもフロアノイズ特性を改善したという。
NV13M09WUの周波数範囲は100〜156.25MHz、電源電圧は5V±5%、制御電圧範囲は2.5V±2.5V、動作温度範囲は−40〜85℃、消費電流は最大35mAである。外形寸法は13.8×9.2×2.8mmと小さい。2021年11月から量産を始める予定。今後は出力周波数範囲の拡大やCMOS出力対応など、製品群の拡充にも取り組む。
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