ルネサス、供給確保で21年7〜9月期売上高2400億円目指す:2021年12月期第2四半期決算発表(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2021年7月29日、2021年12月期第2四半期(4〜6月)業績(Non-GAAPベース)を発表した。第2四半期3カ月間の売上高は2179億円で前年同期比30.7%増、営業利益は614億円で同2.03倍と大幅な増収増益になった。売上総利益率は52.0%、営業利益率は28.2%だった。
供給確保策講じて、四半期売上高の上限想定を上方修正
2021年12月期第3四半期(7〜9月)業績については、自動車向け、産業・インフラ・IoT向けそれぞれの旺盛な需要は続くとみて、売上高2400億円±40億円、売上総利益率53.0%(売上高2400億円時)、営業利益29.0%(同)を見込んだ。第2四半期末時点での受注残は、顧客に2022年までの長期発注を求めていることもあって前年同期比水準の3倍以上にまで積み上がっており、いかに製品を供給できるかが第3四半期以降の事業課題になっている。社長兼CEOを務める柴田英利氏は、4月の前四半期業績発表時に部材調達などのリスクから四半期売上高で2200億円を超えることは難しいとの見解を示していたが「(第2四半期に)前工程、後工程の生産能力の確保や、部材調達のマルチソース化を急速に進めた結果、少しリラックスできるようになったため、(当初2200億円としていた四半期売上高の上限想定を)上方修正した」と説明した。
那珂工場の出荷量は8月半ばに火災前水準を上回る計画
火災により一時稼働が停止した那珂工場300mmウエハーラインは、6月25日に生産水準が火災前水準に達するまで復旧。ただ、出荷ベースでの火災前水準への回復については、6月25日時点で見込んでいた7月第3週ごろから遅れ、8月中旬となる見通しになった。柴田氏は「6月25日以降に、製造装置のトラブルが発生し、計画よりも遅れが生じている。現状の出荷水準は火災前の9割程度。ただし、生産水準は火災前水準を3割超上回っている。8月中旬には出荷ベースでも火災前水準を回復し、現状の生産水準からみて、火災前をかなり上回る出荷水準に達するだろう」との見方を示した。また外部のファウンドリーなどを活用した代替生産については「当初計画通り」(同)とし、2021年内には代替生産分も含めて火災により遅れていた製品の出荷がおおむね完了する見通しになっている。
柴田氏は「需要は引き続き強い状況で、前四半期業績を発表した(4月)時点よりも少し強含んでいる。那珂工場火災も含めサプライチェーンのトラブルで、ユーザーに迷惑を掛けてしまっている。1つでも多くの製品を1日でも早く供給できるよう取り組む」とした。
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