ニュース
8MビットFRAM開発、書き込み回数は100兆回保証:消費電力を抑え高速動作を可能に
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、消費電力を抑えつつ高速動作を可能にした8MビットFRAM「MB85R8M2TA」を開発、サンプル出荷を始めた。書き込み回数は100兆回を保証する。
アクセス速度は高速ページモードで最大25ナノ秒
富士通セミコンダクターメモリソリューションは2021年11月、消費電力を抑えつつ高速動作を可能にした8MビットFRAM「MB85R8M2TA」を開発、サンプル出荷を始めた。書き込み回数は100兆回を保証する。
MB85R8M2TAは、メモリ構成が512k×16ビットで、動作電源電圧は1.8〜3.6Vと広い。インタフェースはSRAMと互換性のあるパラレルインタフェースを採用した。アクセススピードはページモードを用いることで最速25ナノ秒を実現。連続したデータの転送ではSRAMと同等の高速アクセスを可能にした。
動作時の消費電力も抑えた。動作電流は最大18mAで、従来品に比べ10%も削減した。スタンバイ電流は最大150μAで従来の約半分とした。スリープ電流は最大10μA。動作温度範囲は−40〜85℃である。
パッケージは48端子FBGAに加え、44端子TSOPも用意した。これによって、従来の4Mビット品からの置き換えを容易にした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 誤り耐性量子コンピュータの研究開発体制を強化
大阪大学と富士通は、大阪大学の「量子情報・量子生命研究センター(QIQB)」内に、両者の共同研究部門として「富士通量子コンピューティング共同研究部門」を設置した。誤り耐性量子コンピュータの実現に向けて、研究開発体制を強化するのが狙い。 - ポスト5G基地局装置の相互接続性検証技術を開発へ
NECと富士通は、ポスト5G(第5世代移動通信)に対応する基地局用装置(O-RAN仕様準拠)間の相互接続性検証に必要となる技術の開発を、英国(NEC)と米国(富士通)のラボで始める。 - 次世代の大容量光通信用デバイス開発で2社が連携
古河電気工業と富士通オプティカルコンポーネンツは、次世代の大容量光通信に向けた集積デバイス開発を、連携して行うことで合意した。 - 4MビットFRAM追加、125℃対応で1.8〜3.6V動作
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、動作温度範囲が最大125℃で車載グレードに準拠した4MビットFRAM「MB85RS4MTY」の量産を始めた。 - 東京大ら、低電圧で長寿命の強誘電体メモリを開発
東京大学は富士通セミコンダクターメモリソリューションと共同で、1V以下という極めて低い動作電圧で、100兆回の書き換え回数を可能にした「ハフニア系強誘電体メモリ」を開発した。 - 量子技術の産業化を加速、日本企業11社が協議会設立
東芝、富士通、トヨタ自動車などの民間企業11社は2021年5月31日、量子技術の研究開発と社会実装の加速を目指す協議会「量子技術による新産業創出協議会」の設立発起人会を開催した。