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ポスト5G基地局装置の相互接続性検証技術を開発へオープンな5G市場の実現に向け

NECと富士通は、ポスト5G(第5世代移動通信)に対応する基地局用装置(O-RAN仕様準拠)間の相互接続性検証に必要となる技術の開発を、英国(NEC)と米国(富士通)のラボで始める。

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NECは英国、富士通は米国のO-RAN検証ラボで開始

 NECと富士通は2021年8月、ポスト5G(第5世代移動通信)に対応する基地局用装置(O-RAN仕様準拠)間の相互接続性検証に必要となる技術の開発を、英国(NEC)と米国(富士通)のラボで始めると発表した。

 世界各国で5Gの商用サービスが始まる中、さらなる低遅延や多数同時接続を可能にするポスト5Gの活用が、さまざまな産業で注目されている。その一環として、「基地局用装置のオープン化」といった動きが本格化している。

 例えば、O-RAN Allianceが策定した「O-RANフロントホールインタフェース仕様」に準拠することで、さまざまな装置メーカーが供給する基地局用無線機(RU)と制御部(CU/DU)を容易に接続することが可能となる。ただ、相互接続性を検証するには、「検証プロセスの確立」や「共通で使用できるツールの開発」「検証環境の整備」などが必要となる。

 こうした中でNECと富士通は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、「基地局装置間の相互接続性等の評価・検証技術の研究開発」(2020〜2023年度)を受託。メーカーが異なる装置間での相互接続性および、当該接続が情報通信ネットワーク全体に与える影響を評価・検証するための環境構築と技術開発に取り組んでいる。

 そこで今回、NECは英国にあるNEC Europe内のO-RAN検証ラボで、富士通は米国にあるグループ会社Fujitsu Network Communications内のO-RAN検証ラボで、基地局装置間の相互接続性を検証するための技術を開発することにした。この中には、FHA(FrontHaul Analyzer)やP-DU(Pseudo-DU)、テストシナリオ抽出ツール、テストパラメータ変更ツール、検証結果判定ツールといった独自技術が含まれる。

 英国と米国のラボでは、O-RAN仕様に準拠して標準テストが行える「適合性試験」や、コアネットワークから端末までの接続検証が可能な「エンドツーエンド試験」を行うことができる。新たに開発する技術を相互接続性検証に組み込めば、システム全体の正常性検証や性能検証などを、商用環境に近い条件で行うことが可能になるという。

相互接続性検証技術を組み込んだ適合性試験系(左)とエンドツーエンド試験系(右) (クリックで拡大) 出典:NEC、富士通

 NECと富士通は、O-RAN検証ラボにおいて、各国/地域のキャリアや装置メーカー、政府などと連携することで、基地局装置間の相互接続性検証を大幅に効率化し、装置導入までの期間短縮を実現していく考えである。

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