2022年3月期上期 国内半導体商社 業績まとめ:コロナ禍の落ち込みから回復、大半が増収増益
半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2022年3月期(2021年度)上期(2021年4〜9月)業績は、世界的な設備投資需要の回復やデジタル関連需要の強さを背景とした半導体の需要増などの影響から、19社が前年同期売上高を上回った。また、21社中18社が増収増益だった。【訂正あり】
半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2022年3月期(2021年度)上期(2021年4〜9月)業績は、世界的な設備投資需要の回復やデジタル関連需要の強さを背景とした半導体の需要増などの影響から、19社が前年同期売上高を上回り、増収になった。また、21社中18社が増収増益だった。
【お詫びと訂正】掲載当初、レスターホールディングスの業績数値が、2022年3月期上期業績ではなく2022年3月期第1四半期業績の数値になっていました。お詫びして訂正いたします。(2021年11月24日午後6時45分/編集部)
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2022年3月期上期は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再拡大により緊急事態宣言やまん延防止等重点処置が延長されるなどした一方、ワクチン接種の普及が進み、企業活動や経済活動は緩やかに持ち直し、製造業では設備投資や生産活動に回復の兆しが見えてきた。半導体市場では、経済活動の回復に伴い、PCやインフラ設備、自動車用途など広範囲で需要が拡大している。半導体供給不足や原材料の高騰、COVID-19再拡大など、依然として先行きの不透明感はぬぐえないものの、結果として国内半導体/エレクトロニクス商社の業績は、増収増益を記録する商社が大半を占める結果になった。
会社名 | 売上高 (億円) |
売上高 前年比(%) |
営業損益 (億円) |
営業損益 前年比(%) |
---|---|---|---|---|
マクニカ・富士エレホールディングス | 3623.43 | 40.9 | 154.37 | 103.2 |
加賀電子 | 2230.09 | 18.1 | 83 | 87.2 |
トーメンデバイス | 2178.62 | 44.3 | 59.02 | 262.9 |
レスターホールディングス | 1926.16 | 30.7 | 34.17 | 13.5 |
リョーサン | 1242.47 | 27.8 | 40.97 | 227.2 |
菱電商事 | 1073.1 | 15.7 | 27.71 | 125.7 |
エレマテック | 916.6 | 7.6 | 34.81 | 61.7 |
伯東 | 914.28 | 20.9 | 41.71 | 152.3 |
立花エレテック | 911.04 | 21.5 | 27.24 | 65.5 |
東京エレクトロンデバイス | 827.8 | 33.7 | 27.57 | 145.6 |
丸文 | 805.74 | ― | 25.75 | ― |
萩原電機ホールディングス | 716.04 | 35.6 | 17.54 | 27.1 |
サンワテクノス | 709.78 | 14.8 | 21.08 | 134.2 |
新光商事 | 585.9 | 33.4 | 11.32 | 270.5 |
三信電気 | 570.47 | 5.7 | 13.46 | 140.9 |
カナデン | 450.01 | ― | 8.38 | 17.0 |
たけびし | 369.02 | 28.0 | 14.79 | 44.2 |
グローセル | 318.48 | 18.4 | 3.1 | ― |
協栄産業 | 286.68 | 14.9 | 6.44 | ― |
イノテック | 188.63 | 26.3 | 16.81 | 268.2 |
高千穂交易 | 95.83 | 3.3 | 4.31 | 97.2 |
EE Times Japan編集部調べ/2021年11月15日時点 |
集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカ・富士エレホールディングスは増収増益だった。同社の集積回路および電子デバイス関連事業は、産業機器市場では、生産の自動化/高度化を目的としたFA機器向け、半導体需要の高まりを受けた半導体製造装置向けなど幅広い分野で、アナログ製品やその他標準ICが拡大。通信インフラ市場でも、中国の5G(第5世代移動通信)やデータセンター向けメモリ、国内通信機器向けのASSPや電子デバイスなどが堅調に推移した。さらに民生機器市場でもエンターテインメント機器が大きく伸長したほか、半導体不足による生産調整があった車載市場も、自動車の電動化の加速を背景に好調だった。結果として、同事業の売上高は、前年同期比45.5%増の3247億円、営業利益は同258.0%増の113億円になった。
加賀電子は、主力のEMS(電子機器受託製造サービス)事業では、中国の5Gやデータセンター向けのメモリ、国内通信機器向けのASSPや電子デバイス等が好調だった。部品販売ビジネスでも、半導体や電子部品の需給逼迫が続く中、「独立系商社としての調達力の強みを生かし、広範な業界からの旺盛な需要に対応」(同社)したことで増収。結果、同事業の売上高は前年同期比23.9%増の1944億円、セグメント利益は同131.1%増の71億円になった。
トーメンデバイスはデータセンターストレージ向けおよび、PC向けにDRAM、NANDフラッシュ製品が好調だったほか、車載ビジネス深耕によって主にメモリ売り上げが拡大。また、中国市場でスマートフォン向けCMOSイメージセンサーの売り上げが伸び、売上高は同期間では過去最高の2178億円(前年同期比44.3%増)を記録した。営業利益も収益性改善によって同262.9%増の59億円になった。
各社の2022年3月期業績予想については、半導体供給不足や原材料の高騰、COVID-19再拡大、中国での電力不足などの懸念があるものの、経済活動の回復および需要増の見込みなどから増収を予想する企業が17社、増益予想も18社に上っている。
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