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5G加入契約は2027年末で44億件、全加入の半分にエリクソンがモビリティレポート

Ericssonは「エリクソンモビリティレポート(10周年特別版)」をまとめた。5G(第5世代移動通信)の加入契約数は、2027年末に全世界で44億件となり、全モバイル加入契約数のほぼ半分を占めると予測した。

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モバイルデータトラフィック、10年間で約300倍に

 エリクソン・ジャパンは、2021年12月21日に開催したオンライン記者説明会で、Ericssonが2021年11月に発行した「エリクソンモビリティレポート(10周年特別版)」について、その概要を紹介した。5G(第5世代移動通信)の加入契約数は、2027年末に全世界で44億件となり、全モバイル加入契約数のほぼ半分を占めると予測した。

 エリクソンモビリティレポートは、2011年に初めて発行された。今回の10周年特別版では、過去10年間における主なトレンドやイベントを振り返りつつ、2027年に向けた予測を行った。

 まず、方式別に世界のモバイル加入契約数推移と予測を紹介。エリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏は、「5Gの加入契約数は2021年末に6億6000万件となり、2027年には44億件に達する。全加入契約の約半分を占めることになる」と話す。5Gデバイスの値下がりなども追い風となる。一方でLTEの加入件数は、2021年第4四半期(10〜12月)に47億件となり、ピークを迎える。2027年末には33億件に減少すると予測した。

 5G加入数の立ち上がりも4Gのそれを上回る。「サービス開始時期を起点として、加入数が10億件に達するまでの期間は、4Gと比べ5Gの方が2年早い」(藤岡氏)という。地域別に加入契約数をみると、5Gは北米や北東アジアが先行する。2027年になると、これらの地域に加えて、西欧やGCC(湾岸協力会議)などでも5Gの加入契約数が増える見通し。

左図は方式別に見る世界モバイル加入数の推移と予測、右図は地域別、無線方式別に見るモバイル加入契約数の予測[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

 FWA(固定無線アクセス)を提供する通信事業者数も増加する。現在、通信事業者の75%以上がFWAサービスに乗り出している。特に、5G FWAを提供する事業者は57社となり、この半年間で25%増加した。しかも、5G FWAを提供する事業者の多くが、速度別料金を適用しているという。

 FWA接続数は2021年末までに世界で8000万以上になると予測。2027年までには接続数が約2億3000万と3倍に増加、ユーザー数では8億人以上にブロードバンドの環境を提供することになる。この時、FWAの半分が5Gを利用するとみられている。

左図は世界でFWAを提供する事業者数の推移、右図は世界におけるFWA接続数の予測[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

 5Gスマートフォンは、これまで400機種以上が市場に投入されている。2021年前半のスマートフォン出荷台数は、前年同期に比べて20%増加した。このうち、5G端末の出荷比率が23%を占める。世界的に見ると、5G通信では6GHz未満の周波数帯を利用した方式が主体だが、「今後は米国や日本以外でも、ミリ波帯への対応が進むであろう」(藤岡氏)と話す。

 セルラーIoTについても接続数が増加する。特に、全セルラーIoT接続数のうち、2021年末にはブロードバンドIoTの比率が47%を占めると予想され、レガシー(2G/3G)のシェア(37%)を上回る。2027年末にはセルラーIoTデバイスの接続数が55億と予測した。

 5G端末の出荷数が増加したことなどにより、世界市場におけるモバイルデータトラフィックの量も指数関数的に増える。2021年第3四半期は、モバイルネットワークのデータトラフィック(FWAサービスが生成したトラフィックを含む)が、約78E(エクサ)バイトに達した。2021年第3四半期だけで、2016年末までに生成された全モバイルトラフィックの量を上回った。モバイルネットワークの総データトラフィックは、2027年末までに370Eバイトに達すると予測。このうち約62%が5Gによるものとみられている。

 スマートフォン1台当たりのデータ利用量を地域別に算出した。2021年の月間トラフィックは世界平均で11.4Gバイトとなった。この中で、GCC諸国は月間平均22Gバイトとなり世界で最も多い。2027年には世界平均で41Gバイトと予測。北米は2027年末に月間平均で52Gバイトまで増える見通し。

左図はセルラーIoT接続数の推移、右図は世界市場におけるモバイルトラフィック量の推移[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

 同レポートでは、モバイルネットワークとエネルギー消費についても言及している。モバイルネットワークのトラフィック量はこの10年間で約300倍に増えた。これに対し、主に基地局などで消費するエネルギー量は約1.6倍の増加にとどまっている。その要因として藤岡氏は「スペクトル利用効率の進化によってトラフィック容量が増加した。一方で、トラフィックの少ない時間帯をAIで分析し、スリープ時間を拡大するなどして、エネルギー消費を抑えた」と述べた。基地局用電源として、太陽光発電の導入などもエネルギーの効率化に寄与しているという。

左図は10年間のモバイルネットワークとエネルギー消費の推移、右図はエネルギー効率化に対する主な取り組み[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

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