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東芝は“2分割”に、半導体デバイス事業のみ分社へ非注力事業の売却も発表(1/2 ページ)

東芝は2022年2月7日、2021年11月に発表した“3社分割案”を大幅に修正すると発表した。当初、東芝本体からデバイスとインフラサービスの事業をそれぞれ分離し、独立した3つの企業に分割する方針だったが、インフラサービス事業は本体に残してデバイス事業のみを分離する、“2社分割案”を提示した。

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3社分割から2社分割に

 東芝は2022年2月7日、2021年11月に発表した“3社分割案”を大幅に修正すると発表した。当初、東芝本体からデバイスとインフラサービスの事業をそれぞれ分離し、独立した3つの企業に分割する方針だったが、インフラサービス事業は本体に残してデバイス事業のみを分離する、“2社分割案”を提示した。「東芝/インフラサービスCo.(カンパニー)」と「デバイスCo.」(いずれも仮称)となる。実現時期については、従来と同じ2023年度下期とする。


3社分割から2社分割へと修正した[クリックで拡大] 出所:東芝

 東芝の代表執行役社長 CEOを務める綱川智氏は同日に開催した「東芝IR Day」で、「2分割にとどめた方が安定的な財務体質を確保でき、東芝本体の上場維持にかかる不確実性を除去できる。経営体制が2つに減少することで規律あるガバナンス体制を実現しやすくなる他、分割コストの大幅な削減、パートナー企業との連携のしやすさといった利点もある」と説明。これらを踏まえ、会社分割の意義として掲げる「価値の顕在化」を実現するには、2分割のスキームが最適だと判断したと語った。


分割後の従業員数および拠点数[クリックで拡大] 出所:東芝

 さらに、スピンオフ後は、デバイス、インフラサービスそれぞれの専門家で構成されるスリム化された執行体制を実現できるため、迅速かつ的確な意思決定が可能になると強調。綱川氏は、「2022年2月4日に、加賀東芝エレクトロニクスに300mmウエハー対応のパワー半導体製造棟を建設すると発表したが、これも、もし分社化した後であれば半年から1年早く、手を打てたのではないか」と語り、当初の案の3分割から2分割になることで、俊敏な経営が可能になると強調した。

 研究開発体制は、東芝/インフラサービスCo.、デバイスCo.それぞれの固有領域については、基礎研究から製品まで一貫した研究開発機能を各社で保有。それに加えて、共通基盤領域については、共通組織として東芝/インフラサービスCo.に設置し、デバイスCo.とは委託契約を締結する形で「共創関係を維持する」と説明。「これまで培ってきた総合力を持続的に発揮することを目指す」(綱川氏)


研究開発体制の概要。図中に記載されたパーセンテージは、研究開発に携わる人員のうち、それぞれに割り当てる割合を示している[クリックで拡大] 出所:東芝

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