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東芝のHDD出荷、2021年は業界平均を超える成長を記録福田昭のストレージ通信(212)

前回に続き、TAEC(Toshiba America Electronic Components, Inc.)の2021年におけるHDD出荷実績を紹介する。

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出荷台数は4%成長、総出荷記憶容量は61%成長

 東芝のデバイスおよびストレージ事業担当米国法人であるTAEC(Toshiba America Electronic Components, Inc.)は、昨年(2021年)のHDD出荷がHDDメーカー各社の平均値(以降は「業界平均」と表記)を超える高い伸びを記録したと2022年2月2日(米国時間)に発表した。市場調査会社TRENDFOCUSの調査結果を引用する形で、HDD出荷の数値に関するリリースを公表している。

 2021年(暦年、以降同じ)のHDD出荷台数は前年比4%増の5468万台である。HDDメーカー各社の平均は前年比マイナス0.3%だった。なお筆者の調べでは、HDD大手Western Digital(以降は「WD」と表記)のHDD出荷台数(公表値)は2020年に1億230万台、2021年に9430万台であり、2021年は前年比7.8%減と出荷数量を減らした。HDDの出荷台数は世界市場全体だと2010年をピークにその後は漸減傾向にある。東芝のHDD出荷台数が増加したのはかなりの健闘ぶりだと言える。

 2021年のHDD総出荷記憶容量は前年比61%増の187.24EB(エクサバイト:1018バイト)である。業界平均は同31%増だった。なお筆者の調べでは、HDD大手Seagate TechnologyのHDD総出荷記憶容量(公表値)は2020年に480.8EB、2021年に614.2EBであり、2021年に総出荷記憶容量は前年比27.7%増と伸びた。


HDDの出荷台数と総出荷記憶容量の成長率(2021年/2020年)。東芝グループのHDD事業担当米国法人TAEC(Toshiba America Electronic Components, Inc.)が2022年2月2日に公表したニュースリリースをまとめたもの[クリックで拡大]

ニアラインの台数は73%成長、デスクトップ/コンシューマーの台数は10%成長

 HDDの平均記憶容量(1台当たりの搭載記憶容量)は前年比56%増である。業界平均は同32%だった。記憶容量の値は公表していない。

 ニアラインHDDの出荷台数は前年比73%増、総出荷記憶容量は同114%増である。業界平均は出荷台数が前年比24%増、総出荷記憶容量が同49%増だった。業界平均の成長率もかなり高い。ニアラインHDDはSeagateとWDも出荷台数と総出荷記憶容量を伸ばしており、HDD市場全体の牽引役でもある。

 ミッションクリティカルHDDの出荷台数は前年比9%増、総出荷記憶容量は同22%増である。業界平均の出荷台数の増減は公表していない。業界平均の総出荷記憶容量は前年比18%増である。

 デスクトップ/コンシューマーHDDの出荷台数は前年比10%増、総出荷記憶容量は同23%増である。業界平均の出荷台数は前年比2%増にとどまっており、東芝の伸びが目立つ。業界平均の総出荷記憶容量は前年比16%増である。

(次回に続く)

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