XilinxはロボットとFAに注力、TSNと5Gの接続技術も:AMDによる買収が完了(1/2 ページ)
2022年2月14日(米国時間)、AMDがXilinxの買収を完了した。XilinxはAMDの「Adaptive Embedded Computing Group(AECG)」となり、FPGAなどのプログラマブルデバイスを引き続き手掛ける。XilinxのCEOであったVictor Peng氏は、AECGのプレジデントとなる。
2022年2月14日(米国時間)、AMDがXilinxの買収を完了した。XilinxはAMDの「Adaptive Embedded Computing Group(AECG)」となり、FPGAなどのプログラマブルデバイスを引き続き手掛ける。XilinxのCEOであったVictor Peng氏は、AECGのプレジデントとなる。
買収完了直後の2月17日、Xilinx(以降、旧Xilinxを指す)は日本の報道機関向けに、産業、ビジョン、ヘルスケアおよびサイエンス担当ディレクターであるChetan Khona氏が、Xilinxの組み込み向け事業について説明を行った。
Khona氏は「今回の統合により、CPUとGPU、そしてプログラマブルデバイスという補完的な製品ポートフォリオが整った。1万5000人のエンジニアを抱える企業となり、R&Dの規模も拡充できる。われわれは、ユニークかつパワフルな技術な提供できるリーダー的企業になることができるだろう」と語った。
Khona氏は、「産業用機器では設計から市場投入まで4〜6年、メディカルでは3〜5年かかるのが一般的だ。これをいかにスピードアップするかが重要で、われわれは開発期間の短縮を実現できるソリューションの開発を目指している」と述べる。
その一例が、2021年4月に発表した「Kria SOM」だ。エッジでのビジョンAI(人工知能)に向けたSOM(System On Module)である。Xilinxは、Kria SOMと併せて、「FPGAの経験がなくても1時間以内に設計を実行可能」(Khona氏)なスターターキットも用意し、開発期間を短縮できる点を強調していた。
Khona氏によれば、2021年10月にドイツで開催されたイメージプロセッシング/ビジョン関連の展示会「Vision Stuttgart」では、Kria SOMを使用したモデルが複数個、展示されていたという。「例えばOptomotiveは、Kria SOMを用いたカメラモジュールを4つ、展示していた。Kria SOMの発表時にわれわれが強調していた“開発期間の短縮”が証明されたのではないか」(同氏)
「発表から1年もたたないうちに、Kria SOMはXilinx製品の中でも、採用が進んでいる“話題の製品”という位置付けになった」(Khona氏)
さらに、組み込みIoTとエッジAIへの注目度が高まるISM(産業/科学/医療)市場では、演算密度の向上が求められており、そうした要求に応える製品として2021年3月に発表した「Zynq UltraScale+ InFO」も紹介した。
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