半導体材料の販売額、2021年は過去最高を更新:全地域で一桁台後半から二桁の成長
SEMIは2022年3月16日(米国時間)、世界の半導体材料市場統計を発表した。これによると、2021年の販売額は643億米ドルで、2020年実績を15.9%上回り過去最高を更新した。
DX背景に、歴史的なエレクトロニクス需要に対応
SEMIは2022年3月16日(米国時間)、世界の半導体材料市場統計を発表した。これによると、2021年の販売額は643億米ドルで、2020年実績を15.9%上回り過去最高を更新した。
半導体材料のなかで、「ウエハープロセス材料」市場はシリコンや薬液、CMP、フォトマスクといった製品が大きな伸びを示し、前年に比べ15.5%増加の404億米ドルとなった。「パッケージング材料」市場では、有機基板やリードフレーム、ボンディングワイヤなどがけん引車となり、前年比16.5%増加の239億米ドルとなった。
半導体材料の販売額を地域別にみると、首位は147億1100万米ドルの台湾である。巨大なファウンドリと先進パッケージの拠点がある強みを生かし、12年連続の最大市場となった。2位は中国の119億2900万米ドルで、前年に比べ21.9%増と大きく伸びた。3位は韓国。前年比15.9%増の105億7200万米ドルとなった。これに続くのが日本で、88億1100万米ドルとなり11.5%の増加である。
SEMIのプレジデント兼CEOのアジット・マノチャ氏は、「2021年半導体材料の世界市場は、半導体デバイスに対する旺盛な長期的需要と半導体業界の生産能力拡大に支えられ、並はずれた成長を遂げた。全ての地域で前年から2桁あるいは1桁台後半の成長を記録し、加速するデジタルトランスフォーメーションを背景に、歴史的なエレクトロニクス需要に対応している」とコメントした。
SEMIが提供する半導体材料市場統計レポート(MMDS)は、直近の出荷金額や過去10年の推移、今後2年の予測データなどを四半期ごとにまとめ、提供している。データは市場を7地域(北米、欧州、その他地域、日本、台湾、韓国、中国)に分け、製品カテゴリー別の出荷額を集計している。
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