中国の半導体生産能力が急成長、世界3位に:世界生産能力の16%
米国の市場調査会社Knometa Researchによると、半導体の世界生産能力に占める中国のシェアは2021年に16%に達し、韓国と台湾に次ぐ位置に付いたという。
能力の半分は国外の大手ファウンドリー企業
半導体の世界生産能力に占める中国のシェアは2021年に16%に達し、韓国と台湾に次ぐ位置に付いたという。
それでも、米国カリフォルニア州サンディエゴを拠点とする市場調査会社Knometa Research(以下、Knometa)によると、中国の半導体生産能力のおよそ半分は、国外の大手ファウンドリー企業によって支配されているという。そうした企業としては特に、台湾のTSMCとUMC、韓国のSamsung ElectronicsならびにSK hynixが挙げられる。
世界半導体生産能力における中国のシェアは、過去2年、1ポイントずつ伸びている。Knometaによると、そうした近年の成長の大半は、建設および事業コストの低さが要因だという。2011年の時点では、世界半導体生産能力における中国のシェアは9%に過ぎなかった。
全体としては、2021年末の時点で、世界半導体生産能力は200mmウエハー換算で月産2160万枚規模に達した。中国の製造施設は、推定350万枚のウエハーを生産できる能力を有していた。
SK hynixは2021年末、中国・大連市にあるIntelのNAND型フラッシュメモリ製造施設を買収したが、それを差し引いても同社だけで中国の半導体生産能力の17%を占めている、とKnometaは報告している。
Knometaは、「中国が世界半導体生産能力に占める割合は、2024年に19%近くに達することが見込まれる。SK hynix、TSMC、UMCは中国に置く既存の製造施設を拡張しているが、中国内に新たに建設中の製造施設の大半は中国内の事業者が所有している」と述ベている。
Knometaの社長、Trevor Yancey氏によると、今回の半導体生産能力の見通しは、正規化された月次設備容量をベースにしているという。同氏はKnometaを立ち上げる前にBill McClean氏とBrian Matas氏と共にIC Insightsを設立した人物である。
上述した見通しは、業界の他の予測に沿っている。例えば、業界団体のSEMIは、2022年の世界製造設備投資額が前年比10%増となり、総額980億米ドル以上を記録すると予測している。
また、製造設備投資額は3年連続で過去最高となることも見込まれる。SEMIのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるAjit Manocha氏は、「パンデミックの最中、リモートワークやリモート学習、遠隔医療やその他のアプリケーションに不可欠なエレクトロニクスの需要は強い伸びを示しているが、半導体生産能力はそうした堅調な需要を超えて成長/拡大している」と述べた。
製造設備額の高まりを主導するのは、半導体製造関連の設備調達のうちおよそ46%を占めるファウンドリーや、37%を占めるメモリメーカーである。DRAMの設備投資額は下落が予測されている一方で、3D NANDフラッシュの設備投資額は増える見込みだという。
最も多く設備投資をしたのは韓国メーカーで、次いで台湾、中国となっている。その合計は、2022年の製造設備投資額全体の73%を占めるようになるとSEMIは予測している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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