エッジAIプラットフォームとサービスを提供開始:イベントベースビジョン技術を活用
Propheseeとディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)および、レスターエレクトロニクスの3社は、イベントベースビジョンテクノロジーを用いた「エッジAIプラットフォーム」と「インテグレーションサービス」の提供を共同で始めた。
イベントベースビジョンテクノロジーを活用
Propheseeとディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)および、レスターエレクトロニクスの3社は2022年4月、イベントベースビジョンテクノロジーを用いた「エッジAIプラットフォーム」と「インテグレーションサービス」の提供を共同で始めたと発表した。
イベントベースビジョンテクノロジーは、人間の網膜/脳の働きを模倣した技術で、被写体の動きや周囲の環境変化によって、変化が起きた画素のみを非同期で検出することができるという。1ルクス以下の低照度やHDRの環境でも、高い認識率を実現し、組み込み用MCUを搭載したボードでも、AI処理の実行が可能である。
今回は、Propheseeがイベントベースセンサーおよび、開発環境(METAVISION)/機械学習アルゴリズムを用意した。DMPは機械学習アルゴリズムからAI学習および、推論モデルを作成した。自社製ドメイン特化型エッジAIプロセッサを搭載したFPGAモジュール「ZIA C3」や他のエッジAIへのインテグレーションなども担当する。レスターは、データ取得やエッジAIプラットフォームの提供および、システムへの設置、顧客へのトータルサービスなどを行う。
なお、エッジAIプラットフォームは、Propheseeとソニーが共同開発/製品化したイベントベースセンサー搭載のイベントカメラなどを組み合わせて供給する。主な用途として、スマートシティーやスマートビルディングなどにおける、人や車の認識、動線監視などを想定している。
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