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人の動きで抗菌する繊維「PIECLEX」、製品化が軌道に:アンバサダーに武井壮さんが就任(2/2 ページ)
繊維製品の開発、製造、販売を手掛けるピエクレックスは2022年4月26日、同社のブランドアンバサダーに就任した武井壮さんの就任式を開催するとともに、製品や技術を紹介する記者説明会を行った。
順調な製品化、異業種とのコラボも
ピエクレックスは現在、PIECLEXの糸を主にアパレルメーカーに提供している。ことし2月には、国内スポーツアパレルブランドが、PIECLEXを採用したソックスやマスクを発売した。同年3月には、デサントジャパンが、PIECLEXを採用したマスク「PIECLEX MASK」を、菓子・食品メーカーのUHA味覚糖が、マスクに動きを与える高弾力グミ「DOMAC(ドゥーマック)*)グミ」をそれぞれ発売。異業種とのコラボレーションが進んでいることも強調した。
*)「DOMAC」は、UHA味覚糖が開発した口腔ケア食品素材。
その他、自社ブランドとしてTシャツやマスクの製造も進めていて、いずれはECサイトでの販売も予定している。玉倉氏は「設立して2年が経過した。計画通りの進み方ではないが、製品作りがようやくできたという思いだ」と語り、2022年度はTシャツをメインとした事業に注力していくとした。なお、PIECLEXの製造については、量産に十分対応できる体制が整っていると述べた。
さらに、PLAの生分解性を生かし、数日で分解できるようなシステムも開発中だ。「PLAの分子をできるだけ短くし、肥料に使える物質と結合させることで肥料にも使用できることを検討している」(同社)
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