東芝D&S、32ビットマイコン群に21製品を追加:Arm Cortex-M3コアを搭載
東芝デバイス&ストレージは、Arm Cortex-M3コアを搭載した32ビットマイコン「TXZ+ファミリー アドバンスクラス」として、「M3Hグループ」21製品の量産を始めた。民生機器や産業機器におけるメイン制御、モーター制御などの用途に向ける。
民生機器や産業機器のメイン制御やモーター制御に対応
東芝デバイス&ストレージは2022年4月、Arm Cortex-M3コアを搭載した32ビットマイコン「TXZ+ファミリー アドバンスクラス」として、「M3Hグループ」21製品の量産を始めた。民生機器や産業機器におけるメイン制御、モーター制御などの用途に向ける。
新製品は、40nmプロセスを用いて製造する。動作周波数は最大120MHzで、書き換え回数が最大10万回のフラッシュメモリ(容量は256kバイト/384kバイト/512kバイト)や、容量が32kバイトのデータフラッシュメモリなどを内蔵している。モーター制御機能としては、エンコーダー入力回路やプログラマブルモーター制御回路を搭載した。
また、最大21チャネルの12ビットA-Dコンバーターは、入力チャネルごとに個別のサンプルホールド時間を設定することができ、さまざまなセンシングに対応することができるという。この他、UARTやTSPI、I2Cといった通信機能、2ユニットのDMAコントローラー、デジタルLCDドライバーなどを内蔵している。電源電圧は2.7〜5.5Vである。
さらに、機能安全対策回路としてROMやRAM、A-Dコンバーター、クロックのチェック機構を実装した。家電機能安全(IEC60730)認証を取得するためのサンプルプログラムも提供する。パッケージは外形寸法が10×10mmのLQFP64から、20×20mmのLQFP144まで、合計7タイプを用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 手のひらサイズで計測距離300mの「LiDAR」を開発
東芝は、大きさが手のひらサイズで最長300mの距離計測を可能にする「LiDAR」を開発した。投光器を小型にできる「モジュール実装技術」および、全ての投光器を同じ向きにそろえる「モーター制御技術」を新たに開発することで実現した。 - 東北大ら、サマリウム鉄系等方性ボンド磁石を開発
東北大学と東芝は、サマリウム鉄系等方性ボンド磁石を開発した。従来のネオジムボンド磁石に比べ、レアアースの使用量が半分で済み、同等の磁力を達成した。耐熱性や生産性にも優れており、車載用小型モーターなどの用途に向ける。 - 東芝D&S、超低容量TVSダイオードの出荷を開始
東芝デバイス&ストレージは、無線通信に用いる高周波アンテナの信号品質劣化を抑えながら、静電気やノイズなどから電子部品を保護するための超低容量TVSダイオード「DF2B6M4BSL」を開発、出荷を始めた。 - 3相ブラシレスDCモーター用プリドライバーICを開発
東芝デバイス&ストレージは、ホールセンサーレス制御で正弦波駆動方式の3相ブラシレスDCモーター用プリドライバーIC「TC78B011FTG」を開発、量産出荷を始めた。サーバファンやコードレス掃除機に採用される吸引モーターなどの低振動/低騒音化を可能にする。 - パワー半導体研究開発に1000億円、東芝の半導体戦略
東芝は2022年2月8日、会社分割後にできる2社の事業戦略に関する説明会を行った。デバイス&ストレージ事業をスピンオフする「デバイスCo.」では、シリコンパワー半導体のラインアップ拡充やSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)デバイス開発を加速し、パワー半導体の研究開発だけで5年間に1000億円を投入する計画などを明かした。 - 東芝D&S、大分拠点の200mmラインの稼働を一部再開
東芝デバイス&ストレージは2022年2月4日、同年1月22日に大分県などで発生した地震の影響について同日時点の状況を発表した。地震発生後に稼働停止していたジャパンセミコンダクター大分事業所(大分県大分市)の200mmラインの拡散工程について、稼働を一部再開したという。