オンセミ、TOLL採用の650V耐圧SiC MOSFETを発表:従来製品に比べ体積を60%削減
オンセミ(onsemi)は、TO-Leadless(TOLL)パッケージを採用した耐圧650VのSiC(炭化ケイ素)MOSFET「NTBL045N065SC1」を発表した。従来製品に比べ小型で、より信頼性の高い電源設計が可能となる。
従来製品に比べ、小型でより高信頼の電源設計を可能に
オンセミ(onsemi)は2022年5月、TO-Leadless(TOLL)パッケージを採用した耐圧650VのSiC(炭化ケイ素)MOSFET「NTBL045N065SC1」を発表した。従来製品に比べ小型で、より信頼性の高い電源設計が可能となる。
NTBL045N065SC1は、VDSS定格が650V、RDS(on)の標準値が33mΩ、最大ドレイン電流(ID)は73Aである。動作温度は最大175℃、QG(tot)が105nCという極めて低いゲートチャージにより、スイッチング損失を大きく低減した。
パッケージの外形寸法は9.90×11.68mmで、高さは2.30mmと薄い。一般的なD2PAKパッケージと比べ、プリント基板の実装面積を30%削減することができる。低背にしたことで、体積ベースでは60%も削減することが可能となった。パッケージインダクタンスも2nHと低い。
また、ケルビンソース構成としたことで、ゲートノイズの低減とスイッチング損失の低減を可能とし、構成が異なるデバイスに比べ、ターンオン損失(EON)を60%も抑えた。さらに、TOLLパッケージはMSL1(湿度感度レベル1)規格に準拠しており、量産時の故障率を低減することができるという。
NTBL045N065SC1は、スイッチモード電源(SMPS)や、サーバおよびテレコム用電源、ソーラーインバーター、無停電電源(UPS)、エネルギー貯蔵などの用途に提案していく。
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