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ソニーのイメージセンサー事業、課題はロジックの調達収益ではモバイル向けがけん引も(2/3 ページ)

ソニーグループは2022年5月26〜27日にかけて、2022年度の事業説明会を開催した。イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野については、ソニーセミコンダクタソリューションズの代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である清水照士氏が報告した。

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自動車メーカーに直接アプローチ

 車載向けイメージセンサーは、順調に成長しているとする。「2022年度は大きな成長を見込んでおり、2025年度に向けて成長が継続していくと見ている。2025年度時点で取引のある自動車メーカーの数は、グローバルトップ20社のうち75%になる見込みだ」(清水氏)

 車載向けで特に重要なのは、前方を照らすフロント部分だという。顧客要求が厳しいこの領域で競争優位を築き、他のアプリケーションへの技術展開にもつなげていくとする。さらに、「自動車メーカーやプラットフォーマーに直接アプローチして、われわれのイメージセンサーの価値を認めてもらうことが非常に重要になる。このアプローチが近年、功を奏している」(清水氏)と語った。


車載カメラの業界動向と、ソニーセミコンダクタソリューションズの開発方針[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

 特に、フロントセンシングとサラウンドセンシングにおいては、センサーからの情報を融合するセンサーフュージョンで差異化していく方針だ。信号処理を行う前のローデータの段階で特徴量を抽出し融合する、独自の「アーリーフュージョン技術」で、高精度な物体認識の実現を目指す。


ソニー独自の「アーリーフュージョン」技術で差異化していく[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

 2019年から取り組んでいるソリューション事業では、Microsoftとの協業が順調に拡大していることを示した他、同事業のさらなる成長を目指して発表したAITRIOSを紹介した。AITRIOSは、AI機能(機械学習の機能)を搭載したカメラなどを用いたセンシングソリューションの効率的な開発を支援するためのプラットフォーム。開発環境やマーケットプライス、クラウドサービスなど、ソリューションの開発に必要なツールを集約している。現在、AITRIOSでは、AI処理機能を搭載したビジョンセンサー「IMX500」を使用できるが、清水氏によれば、今後は他のセンサーも使用できるようにしていくという。

左=ソリューション事業の取り組み/右=「AITRIOS」の概念図[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

 新しいビジネス機会としては、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)領域を挙げる。「常に市場の動向を読みながら先手を打ち、新しいビジネスの獲得に努めていく」(清水氏)

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