ソニーのイメージセンサー事業、課題はロジックの調達:収益ではモバイル向けがけん引も(3/3 ページ)
ソニーグループは2022年5月26〜27日にかけて、2022年度の事業説明会を開催した。イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野については、ソニーセミコンダクタソリューションズの代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である清水照士氏が報告した。
ロジック半導体の安定調達が課題に
清水氏は設備投資についても言及。2021〜2023年度の第4次中期経営計画における設備投資額は約9000億円と、高い水準になる見込みだとした。
旺盛な需要に対応すべく生産能力の強化も進めている。長崎テックのFab 5では、増設したエリアで2022年7月に稼働を開始することに加え、さらなる拡張に向け同年5月に着工した。
さらに、「大部分を外部から調達しているロジック半導体の安定的な確保も重要な経営課題」(清水氏)とする。同氏は、JASMへの出資は、ソニーセミコンダクタソリューションズだけでなく、業界全体におけるロジック半導体の安定調達にも寄与すると述べ、日本国内のサプライチェーン強化に貢献できるとした。
イメージセンサーの金額シェアは、2025年度に60%を目標としている。「2019年度の最高益から一転、この2年は厳しい事業環境の影響を受けており、今後も半導体不足や地政学的リスクの影響など不透明な状況は続くとみているが、変化への耐性を高めながら、収益性回復に向けた経営を進めていく」(清水氏)
さらに、「コロナ禍以前はロジック半導体の調達を心配したことはなかったが、現在は地政学的リスクへの懸念や、ファウンドリー各社が生産能力を強化しており、設備の調達が難しくなるなど、さまざまなリスク要因がある」(清水氏)として、これまでとは異なる在庫戦略をとっていくと語った。
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