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低迷するメモリ需要は、半導体市場減速の兆候を示すDRAM価格は10%低下へ(1/2 ページ)

アナリストたちの予測によると、現在、メモリ需要が伸び悩んでいるのは、これまで盛況にあった半導体業界が減速に向かっているという兆候を示すのではないかという。

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 アナリストたちの予測によると、現在、メモリ需要が伸び悩んでいるのは、これまで盛況にあった半導体業界が減速に向かっているという兆候を示すのではないかという。

 今から2年前に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まったことにより、半導体不足が発生した。このためサプライヤー各社は、値上げをして利益を押し上げ、生産能力を拡大すべく過去最大規模の資金を投じてきた。半導体メーカーは引き続き売上高を堅調に伸ばしているが、2022年中には需要が急激に減少する恐れがあると警告する声も上がっている。

 世界第3位のメモリメーカーであるMicron Technology(以下、Micron)は2022年6月に、2022会計年度第4四半期(2022年6〜8月)の売上高が前期比で17%減少するとの予測を発表した。エレクトロニクスメーカーは通常、年末のホリデーシーズンに向けて生産量を拡大するため、1年の後半の売上高が最も堅調である場合が多い。

 米国の市場調査会社IC Insightsは、「Micronは、2022年第3四半期のメモリ市場が大幅に減速する可能性があるという早期警戒を示しているといえるだろう」と報告している。

台湾メーカーの売上高減

 またIC Insightsは、台湾の主要半導体メーカーの売上高が2022年5月から6月にかけて減少していることについても指摘する。通常、前月比の数字は、前年比の数字よりも重要度が低いが、それは前年比の数字の方が季節変化の要素を取り除くことができるためだ。こうした前兆は現在のところ、レーダースクリーン上のブリップ(輝点)と見なすことができるだろう。


2022年5月、6月の台湾半導体サプライヤートップ10[クリックで拡大] 出所:IC Insights

 IC Insightsは、特に注目すべきメーカーとして、世界最大手ファウンドリーであるTSMCを挙げている。同社の2022年6月の売上高は、同年前月比で5%減少したという。2016〜2021年における5月から6月にかけての同社の平均売上高増加率は14%増だったが、2018年だけは唯一13%減少している。

 TSMCの2022年6月の売上高は、前年同月比で18.5%増加した。しかし、2022年1〜6月の売上高は前年同期間比で39.6%増だったことから、これと比べると伸び悩みを見せたといえるだろう。

 業界を先導するTSMCは、AppleからXilinx(AMDが買収)に至るまで幅広いメーカーに半導体を提供している。そのTSMCが2022年7月14日(台湾時間)に発表した四半期業績は、年末までの見通しを示しているといえる。

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