検索
ニュース

SiFiveが日本支社設立へ、いずれは開発も視野に急速に成長するRISC-V市場(2/2 ページ)

RISC-VプロセッサコアIP(Intellectual Property)を手掛ける米SiFiveが、日本法人設立の準備を進めている。早ければ今後1〜2週間以内にも設立が完了する見込みだ。SiFiveジャパンの代表取締役社長は、Xilinx(AMDが買収)の日本法人ザイリンクスジャパンの代表取締役社長を務めていたSam Rogan氏である。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

大きく伸びるRISC-V市場

 RISC-V市場は現在、急速に成長している。Rogan氏は「特に中国、韓国での注目度が高い」と述べる。さらに中国やインドでは、RISC-Vの導入を国家レベルで支援している。「中国での動きがRISC-Vエコシステム形成の原動力になった」(Kang氏)

 Semico Researchの予測によれば、2025年までに累計624億個のRISC-Vコアが出荷されるという。RISC-Vを搭載したSoC(System on Chip)の出荷数は、2020年から2027年で、年平均成長率73.6%で増加するとも予測している。Kang氏は、「2022年上半期の段階で既に100億コアが出荷されているので、624億個に達するのは恐らく2025年よりも早くなるだろう」との見解を述べた。


RISC-Vコアの成長予測[クリックで拡大] 出所:SiFive

 RISC-Vへの注目度は、NVIDIAによるArm買収の発表で、より高まった。この買収は破談になったが、CPUコアベンダーの中立性についての議論が活発になり、“Armコアの代替品”を探し始めたメーカーも少なくなかった。Kang氏はこれについて「CPUコアやISAの中立性について、業界で危機感が顕在化したのではないか」との見解を述べている。

 Intelも、そうした危機感を覚えたメーカーの1社だったのだろうか。同社は2022年2月、RISC-V Internationalにプレミア(Premier)会員として加盟することを発表した。さらに、「Intel 4」プロセスを適用する開発プラットフォーム(開発コード:Horse Creek)には、SiFiveのPerformanceファミリーであるプロセッサコア「P550」を採用する。Horse Creekは2022年後半にもリリースされる予定だ。

 Rogan氏は、「SiFiveには見込みがある」と強調した。「日本法人を設立することで、より強く日本の顧客に貢献していく」(同氏)


SiFiveジャパン社長のSam Rogan氏とSiFive 事業開発・顧客体験・コーポレートマーケティング担当シニアバイスプレジデントのJack Kang氏。ちなみに、「ザイリンクスジャパン時代はライバルだったIntelと、これから協力関係になることについてどう思うか」と問われたRogan氏は、「We love Intel」と答えて記者たちを笑わせていた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る