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三菱電機、チューナブルレーザーダイオードを開発:16個のDFBレーザーを並列に配置
三菱電機は、光ファイバー通信用のチューナブルレーザーダイオードチップ「ML9CP61」を開発した。デジタルコヒーレント通信の大容量化と光トランシーバーの小型化に対応した製品となる。
チップで供給、光トランシーバーに適したパッケージ設計が可能に
三菱電機は2022年9月、光ファイバー通信用のチューナブルレーザーダイオードチップ「ML9CP61」を開発したと発表した。デジタルコヒーレント通信の大容量化と光トランシーバーの小型化に対応した製品となる。
ML9CP61は、400Gビット/秒の光トランシーバー標準規格(OIF-400ZR01.0)に準拠した広い波長帯に対応するなど、デジタルコヒーレント通信の大容量化を可能にする製品。1〜16チャネル分の異なる発振波長を持つ16個のDFB(分布帰還型)レーザーを並列に配置したアレイ構造とした。
しかも、チップを温度制御することで、波長をチャネルごとに約2.7nmずつ変更することができる。これにより、発振波長が1527.994〜1567.133nmの1.55μm帯レーザー光出力を実現した。光出力は17dBm(標準)である。
ML9CP61の外形寸法は0.75×3.8×0.1mm(標準)。チップの状態で供給されるため、ユーザーは搭載する光トランシーバーに合わせ、最適なパッケージやモジュールの設計を行うことが可能となった。
ML9CP61は、2022年10月からサンプル品の供給を始める。量産開始は2023年の予定。今後は、次世代の800Gビット/秒市場も見据え、光変調器チップの開発も計画している。
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