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耐圧600VのハーフブリッジドライバーICを開発:BSD機能を内蔵、部品点数を削減
三菱電機は、BSD(Boot Strap Diode)機能を内蔵した耐圧600VのハーフブリッジドライバーIC「M81777FP」を開発、4月1日より販売を始める。BSD機能を内蔵したことで、インバーターシステムの部品数を削減することができるという。
高耐圧MOS構造のBSDにより、高いノイズ耐性を実現
三菱電機は2022年2月、BSD(Boot Strap Diode)機能を内蔵した耐圧600VのハーフブリッジドライバーIC「M81777FP」を開発、4月1日より販売を始める。BSD機能を内蔵したことで、インバーターシステムの部品数を削減することができるという。
M81777FPは、基準電圧から他の電圧を作り出すブートストラップ回路用の高耐圧用ダイオード(BSD)を内蔵したことで、部品点数と高圧配線面積を削減することが可能となる。BSD機能は独自の高耐圧MOS構造で実現しており、充電動作時に発生するリーク電流を抑えることができる。また、インバータースイッチング時に誤動作の原因となる寄生素子が形成されない高耐圧MOS構造によって、ノイズによるラッチアップ誤動作を抑制する。
M81777FPは、出力電流(代表値)が0.2A/−0.35A、ローサイド回路の消費電流は1.0mA、ハイサイド回路の消費電流は0.2mAである。パッケージは8端子SOPで供給する。従来製品の「M81776FP」から容易に置き換えできるよう、外形サイズやピン配置、電気的特性について互換性を確保した。サンプル価格は60円。
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