センサー世界市場、2021年は1兆9000億円規模へ:電子情報技術産業協会が状況調査
センサーの世界市場は、2021年出荷数量が前年比111%の352億6815万6000個、出荷金額は同105%の1兆9291億8100万円になった。電子情報技術産業協会(JEITA)が調査し、発表した。
「種類別」「需要部門別」「仕向け地別」「形状別」にデータを集計
電子情報技術産業協会(JEITA)は2022年9月、世界のセンサー市場について、2020年と2021年(暦年)の出荷実績を調査し、その結果を発表した。2021年のセンサー出荷量は前年比111%の352億6815万6000個、出荷金額は同105%の1兆9291億8100万円となった。
JEITAは、需要が拡大するセンサー市場に注目し、2009年から「JEITAセンサー・グローバル状況調査」を行っている。今回発表した「センサー・グローバル出荷実績(2020、2021年)」も、その調査結果の一部である。調査には国内外73社のセンサー企業が協力した。集計結果は、「種類別」「需要部門別」「仕向け地別」「形状別」などに分け、数量と金額を公表している。また、センサーは「温度」や「光度」「磁界」など9種類に分け、それぞれの出荷データを発表した。
2021年は、「COVID-19感染拡大に伴う巣ごもり需要やテレワークの増加」と「無人化や省人化に対する投資拡大」などによって、センサー需要は強含みで推移した。この結果、「数量ベースでは2020年を大きく上回り、金額ベースでもプラス成長になった」と分析している。
2021年におけるセンサーの種類別出荷実績を見ると、数量ベースで最も大きい市場規模を誇るのが温度センサー。241億2978万3000個で前年比109%。続く光度センサーは48億6243万7000個で同122%になった。一方、金額ベースでは、光度センサーが1兆3590億4200万円で、同102%となった。なお、圧力センサーや温度センサー、音・超音波センサーなどは2桁の成長を記録した。
2021年におけるセンサーの出荷実績を需要部門別にみる。金額ベースでは通信機器・スマートフォン用が全体の過半数を占め、自動車用や産業用と続く。前年実績と比較すれば、通信機器・スマートフォン用は6%減のマイナス伸長になり、全体の足を引っ張った。しかし、それ以外の部門は2桁の成長を記録した。数量ベースでは、通信機器・スマートフォン用が107%で、プラス成長となった。産業用や自動車・交通用、家電・住宅設備用などは120%台となり、全体の伸長率を押し上げた。
2021年におけるセンサーの出荷実績を仕向け地別にみた。構成比で最大となるのは数量、金額のいずれも中国向けで、数量ベースでは54%、金額ベースでも34%を占めた。数量ベースだとアジア・パシフィック向けが23%、日本向けが14%と続く。一方、金額ベースでは米州向けが27%、日本向けが20%をそれぞれ占めた。
2021年におけるセンサーの出荷実績を形状別にみた。センサーデバイス(単体センサー)が数量ベースで96%、金額ベースで73%を占めた。それ以外は、「センサーモジュール・センサーユニット」や「センシングシステム・センサー装置」である。
なお、MEMSセンサー・モジュールの出荷実績は、金額ベースで1638億9000万円、同111%になった。このうち、MEMSセンサーは1537億3700万円になり前年に比べ109%。MEMSモジュールは101億5300万円で、前年に比較し136%になった。
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