住友ベークライト、先端半導体封止材の新生産設備導入:半年後に量産開始へ
住友ベークライトは2022年9月20日、子会社の九州住友ベークライト(福岡県直方市)に、先端半導体圧縮成形用封止樹脂に適した生産設備を新規導入したと発表した。同生産ラインからのサンプルワークは2022年秋から開始し、約半年後の量産開始を目標としている。
住友ベークライトは2022年9月20日、子会社の九州住友ベークライト(福岡県直方市)に、先端半導体圧縮成形用封止樹脂に適した生産設備を新規導入したと発表した。同生産ラインからのサンプルワークは2022年秋から開始し、約半年後の量産開始を目標としている。
住友ベークライトグループは半導体封止材(スミコンEME)において、世界シェア40%(自社推定)を有するほか、圧縮成形用材料市場においてもSiP(System in a Package)/FOWLP(Fan Out Wafer Level Packageの)/PLP(Panel Level Packaging)といった先端半導体パッケージング分野で高いシェアを保持しているという。
同社はこれまでも先端パッケージ材に適した顆粒材の市場投入などを進めてきたが、今回、今後のさらなる需要拡大を見据え、微細な原料を使用しつつ同時に高い分散性を実現できる量産ラインを設置したとしている。
内容としては、高密度なデザインや繊細で低圧成形が必要なデバイス、大型パネル成形に適する顆粒材について、「その特長をさらに向上させる新技術の開発に成功し量産化した」(同社)。この新技術の確立および量産ラインの設置に約4億円を投資したという。
住友ベークライト、「顆粒材『スミコンEME Version GR』は先端半導体パッケージに対する優れた成形性が特徴だが、将来のさらなる高密度なデザインに対しても従来レベル同等またはそれ以上の成形性を目指す。本生産ラインで実現するファインフィラーを高分散した顆粒樹脂は先端半導体や次世代メモリで課題になっている反り、充填性、外観異常の課題解決に役立つ」と説明している。
同社は顆粒製品について、九州住友ベークライトと中国子会社の蘇州住友電木で生産/販売しているが、高機能製品は日本国内での対応とし、量産ラインは九州住友ベークライトに設置した。
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