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携帯型MP3プレーヤーの黎明期(1997年〜1998年)福田昭のストレージ通信(237) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(18)(2/2 ページ)

今回はフラッシュメモリを記憶媒体とする携帯型デジタルオーディオプレーヤー(DAP:Digital Audio Player)を扱う。時期は1997年〜1998年である。

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1998年に韓国ベンチャーと米国パソコン周辺メーカーが相次いで発売

 FMSの年表(原文)によると、1998年にセハン情報システムは世界で初めて携帯型MP3プレーヤー「MPMan F-10」を発売する。1998年3月のことだ。米国では販売権を得た「アイガー(Eiger Labs.)」が同社のブランド「Eiger」で「MPMan F-10」を販売した。

 「MPMan F-10」本体の外形寸法は高さ91mm×幅70mm×厚さ16.5mm、重さは65グラム。32Mバイトあるいは64Mバイトのフラッシュストレージを内蔵する。フラッシュストレージの増設はできない。パソコンとはパラレルポートを通じてデータをやりとりする。バッテリーはガム型二次電池である。

 同じく1998年に米国のパソコン周辺機器メーカー「ダイアモンド・マルチメディア・システムズ(Diamond Multimedia Systems)」が携帯型MP3プレーヤー「Rio PMP300」を発売した。1998年9月に製品を発表し、1998年12月に出荷を始めた。


フラッシュメモリと不揮発性メモリの主な出来事(1997年〜1999年)。下線部が、フラッシュメモリを記憶媒体とする携帯型MP3プレーヤーに関する項目(クリックで拡大)

携帯型MP3プレーヤー「Rio PMP300」の外観写真。本体の外形寸法は高さ89mm×幅63mm×厚み16mm、重さは70グラム 出所:Targaryen, CC0, via Wikimedia Commons

 「Rio PMP300」は32Mバイトのフラッシュストレージを内蔵する。このほかストレージの増設用に切手大の小型フラッシュカード「スマートメディア」のスロットを備える。

 以上、携帯型MP3プレーヤーが世界で初めて登場した1997年〜1998年の一通りの動向である。といってもこれだけの情報では、疑問だらけだろう。なぜレコーダーではなく、プレーヤーなのか。なぜフラッシュメモリが使われたのか。アナログオーディオとデジタルオーディオの違いは一般消費者にとってどのような違いをもたらすのか。MP3プレーヤーの登場は、エレクトロニクス業界やレコード業界(音楽CD業界)にどのような影響を与えたのか。そもそも、MP3プレーヤーがその後に普及したのはなぜか。

 これらの疑問については、次回以降に答えていきたい。

(次回に続く)

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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