ローデが新世代オシロ、毎秒450万波形以上で更新:突発的なイベントも容易に捉える
ローデ・シュワルツは、更新速度が毎秒450万波形以上という新世代オシロスコープ「R&S MXO 4シリーズ」の販売を始めると発表した。発生頻度が低い突発的なイベントなどを比較的容易に捉えることが可能となる。
4チャネル全てに最大400Mポイントのメモリを標準装備
ローデ・シュワルツは2022年9月、更新速度が毎秒450万波形以上という新世代オシロスコープ「R&S MXO 4シリーズ」の販売を始めると発表した。発生頻度が低い突発的なイベントなどを比較的容易に捉えることが可能になる。
R&S MXO 4シリーズは、帯域幅が200MHzの「R&S MXO 44-242」、350MHzの「R&S MXO 44-243」、500MHzの「R&S MXO 44-245」、1GHzの「R&S MXO 44-2410」および、1.5GHzの「R&S MXO 44-2415」という5モデルを用意した。200Gビット/秒の処理性能を実現した独自のASICを搭載したことで、毎秒450万波形以上という更新速度を可能にした。
ま毎秒5Gサンプルというサンプリングレートで動作する12ビットA-DコンバーターICと、18ビット垂直分解能アーキテクチャを組みわせて搭載した。さらに、ノイズを最小限に抑え、500μV/divのスケールで±5Vというオフセット幅を実現している。しかも、4チャンネル全てに最大400Mポイントのメモリを標準装備。これは同等の競合製品に比べ最大100倍のメモリ容量に相当するという。
この他、感度が1/10000divというデジタルトリガー機能を標準搭載したことで、信号が小さい物理層の異常も検出することができる。RFスペクトラム測定能力にも優れ、毎秒4万5000回のFFTを実行することが可能だという。表示部には13.3インチのフルHD静電容量式タッチスクリーンと、直感的に操作できるユーザーインタフェースを採用した。
価格は、R&S MXO 44-242が106万4000円、R&S MXO 44-2415は310万8000円である。
なお、機能拡張や性能向上に向けたアップグレードオプションも用意した。例えば、16個のデジタルチャネルを追加することでミックスドシグナルオシロスコープ(MSO)として活用できるオプションや、デュアルチャンネルの100MHz任意波形発生器、各種産業向けバス規格に対応するためのプロトコルデコード/トリガーなどがある。
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