連載
多値記憶(マルチレベル)時代の始まり(1997年〜2001年)(後編):福田昭のストレージ通信(242) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(23)(2/2 ページ)
前回に続き、フラッシュメモリが製品に「多値記憶技術」を駆使し始めた状況を解説する。東芝とサンディスクの合弁事業が話の中心となる。
1GビットのNANDフラッシュを多値記憶技術で製品化
東芝とサンディスクの共同開発成果は、2001年になって現れる。同年11月に両社は、NANDフラッシュメモリに多値記憶を世界で初めて導入した大容量メモリ製品を開発したと発表した(ニュースリリース)。記憶容量は1Gビットで、フラッシュメモリとしては最大級である。0.16μm技術で製造した512MビットのNANDフラッシュメモリをベースに、多値記憶技術を追加した。
東芝とサンディスクが2001年11月に発表した世界初の多値記憶方式NANDフラッシュメモリ製品の主な仕様(Webサイトの画面を抜粋したもの)。なお表中右側の2Gビット品(TH58020FT)は、1Gビットのシリコンダイを積層して同じパッケージに封止した製品である[クリックで拡大]
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