硬い/柔らかいをロボットに伝える、力触覚のデモを披露:慶応大発のスタートアップ
モーションリブは「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)で、同社が手掛ける力触覚技術「リアルハプティクス」のデモを行った。【訂正あり】
モーションリブは「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)で、同社が手掛ける力触覚技術「リアルハプティクス」のデモを行った。
リアルハプティクスは、力情報と位置情報をデータ化して統合することで、硬い、柔らかいなどの「感触」を生み出す技術。データ化された「感触」を、ネットワークを介してロボットに伝達することで、ロボットが「固い物だから強く握る」「柔らかくて壊れやすいので優しく握る」といった制御ができるようになる。
リアルハプティクスは、もともと慶応義塾大学 ハプティクス研究センターが開発していた技術で、モーションリブは同大学からスピンオフして2016年に設立されたスタートアップだ。
リアルハプティクスは、ロボットのアクチュエーターの回転角度である「位置」をベースに、アクチュエーターにかかる「力」を独自のアルゴリズムで推定する。そのため、位置センサーや力センサーを使うことなく、正確かつ高速に感触や力加減の情報を取得できるという。力センサーが不要なので、コストも削減できる。
【訂正 2022年11月7日9時35分:当初、「位置センサーと力センサーが不要なので、コストも削減できる」としておりましたが、位置センサーは必要なので「力センサーが不要なので、コストも削減できる」が正しい情報となります。お詫びして訂正いたします。】
モーションリブは、リアルハプティクス技術をモジュール化した力触覚制御IC「AbcCore(エービーシーコア)」を開発。AbcCoreに2台のモーターを接続し同期させることで、力触覚を遠隔で伝え合うシステムを容易に実現できる。既存のモーターに組み込めることも利点だ。
デモでは、レバーを前後に動かせる機器を2台用意して、片方にスポンジや木材などを設置。レバーでスポンジや木材を押した時の“感触”が、もう1台の、何も置いていない機器にも伝わることを体験できるようになっていた。
リアルハプティクスを導入したい場合、モーションリブで受託開発を行う他、同社との共同開発も可能だ。
「大学の研究室では実用化やビジネス化がなかなか難しいため、スタートアップを立ち上げた。(リアルハプティクス技術の)社会実装には時間がかかるかもしれないが、ニーズはある。高所など危険な場所での作業準備のために、触覚のフィードバックがほしいといった産業分野での要望がある他、コロナ禍でのアイドル握手会をリアルハプティクスで遠隔化するなど、エンターテインメント分野からの引き合いもある」(モーションリブ)
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