家電で「そっと」高齢者を見守るサービス、三菱が開始へ:家族の会話のきっかけに
三菱電機は2022年12月20日、高齢者見守りサービス「MeAMOR(ミアモール)」を2023年2月3日から提供開始すると発表した。
三菱電機は2022年12月20日、高齢者見守りサービス「MeAMOR(ミアモール)」を2023年2月3日から提供開始すると発表した。同社の家電製品をインターネットに接続することで、スマートフォンのアプリから高齢者の生活状況を確認できるサブスクリプションサービスで、1台から月額1080円(税込み)で利用可能だ。
MeAMORは見守り専用のサービスのため、遠隔操作や緊急時のかけつけなどには対応していない。設定した期間内で冷蔵庫の開閉や給湯器の使用が確認できないなどの異常があった場合はアプリから高齢者の家族に通知が飛び、通知を受け取った家族から対象者へ連絡することで安否確認のきっかけをつくる。
内閣府の調査では、国内で急速に進む高齢化で2025年には3人に1人が65歳以上になる想定だ。また、2015年の一人暮らし高齢者は1990年比で約3.6倍の593万人で、2040年には896万人まで拡大する。
2022年1月に三菱電機が一般ユーザー1030人に行った調査では、高齢の親と離れて暮らしている家族は日々の忙しさで訪問が難しいものの安否を気に掛けていて、単身で生活している高齢者は健康不安などから見守りサービスを求める声もある一方で、監視されるようなサービスは敬遠したいという声もあったという。
MeAMORは、カメラなど専用の機器や設備を準備する必要はなく、対象の家電製品をインターネットに接続し、アプリに登録することで簡単に利用を開始できる。当初は、エアコン、冷蔵庫、給湯器(エコキュート)の3種類が対象で、常時使用が想定される冷蔵庫や給湯器はもちろん、エアコンもコンセントに接続されていれば電源のオン/オフにかかわらず、組み込まれているセンサーにより見守りが可能だ。
三菱電機がIoT(モノのインターネット)家電を使った安心見守りサービスを提供するのは初めてだ。三菱電機 執行役員兼IoT・ライフソリューション新事業推進センター長の朝日宜雄氏は「家電製品は長いものでは10年以上使われるものもあるが、省エネ性能などが年々向上している。MeAMORのサービス提供開始が買い替えのきっかけになればいい。サービスの提供開始後は、利用者や購入検討者の要望に応じて新しい機能の追加や対応機種の拡大などを検討していく」と述べた。
メインユーザーは一人暮らし高齢者の中でも単身で自立した生活が可能な「健康独居」から、施設には入りたくないが単身での自立した生活に不安がある「フレイル」までの約590万人とその家族を想定している。今後同社はバイタルデータと連携したサービスや、子育て世代を支援するサービスなどに安心見守りソリューション事業を拡大し、「MeAMORシリーズ」として2030年までに20億円の売り上げを目標にしている。
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