onsemi、SiCファミリ「EliteSiC」を発表:MOSFETと2つのSBDを発表
onsemiは2023年1月3日(米国時間)、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワーデバイス製品群の名称を「EliteSiC」とすると発表した。
onsemiは2023年1月3日(米国時間)、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワーデバイス製品群の名称を「EliteSiC」とすると発表した。同時に米国で開催されている展示会「CES 2023」で、1700V耐圧のEliteSiC MOSFETと、2つの1700Vアバランシェ定格EliteSiCショットキーダイオード(SBD)を発表した。いずれの製品もエネルギーインフラや産業用ドライブアプリケーション向けに展開する。
1200V、40Aのテスト条件で200nCのゲート電荷
EliteSiCファミリ製品として展開する1700V耐圧のEliteSiC MOSFET(型番:NTH4L028N170M1)は、高電力産業用アプリケーションに求められる高ブレークダウン電圧(BV)1700Vを実現。1200V、40Aのテスト条件で200nCのゲート電荷(Qg)を達成し「300 nCに近い同等の競合デバイスに比べて、市場をリードしている」(同社)とする。
最大Vgs範囲は−15V/25Vで、ゲート電圧が最大−10Vになる高速スイッチングアプリケーションに最適で、システムの信頼性向上を実現するという。
1700Vアバランシェ定格EliteSiC SBD2種(型番:NDSH25170A/NDSH10170A)は、SiCによって可能になる高い効率を提供しながら、高温時でも安定した高電圧動作を実現。BV定格1700Vにおいてダイオードの最大逆電圧(VRRM)とピーク繰り返し逆電圧間のマージンが向上している。最大逆電流(IR)が25℃時に40μA、175℃時に100μAという逆方向リーク性能を実現し「25℃時定格100μAが一般的な競合デバイスに比べて大幅に優れている」(同社)としている。
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