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リチウムイオン電池の良品解析サービスを開始、OKI:電池単体から機器全体まで解析可能
OKIエンジニアリング(以下、OEG)は2023年1月13日、モバイル機器やウェアラブル端末に搭載されるリチウムイオン電池の良品解析サービスの提供を開始した。
OKIエンジニアリング(以下、OEG)は2023年1月13日、モバイル機器やウェアラブル端末に搭載されるリチウムイオン電池の良品解析サービスの提供を開始した。リチウムイオン電池を搭載する機器を扱う企業向けにサービスを提供し、年間5000万円の売上を目指す。
リチウムイオン電池は近年、スマートフォンなどのモバイル機器やワイヤレスイヤホンなどのウェアラブル機器、ドライブレコーダーなどの車載機器への搭載が増加するとともに、発煙/発火/発熱などの事故が多発している。これらの機器を扱う企業には事故を未然に防ぐ対策が求められており、企業は対策の一環として対象機器に搭載した際に不具合が生じる可能性が低い電池を選別/採用する必要がある。
OEGは2021年3月から、リチウムイオン電池の焼損事故発生を特定する焼損事故解析サービスを提供していて、焼損メカニズムに関する知見や解析ノウハウを蓄積している。
今回開始した良品解析サービスは、これらの知見やノウハウをベースに、焼損事故の予防に向けた検査サービスとして確立したもの。対象の電池に内在する欠陥や不具合構造を検出し危険性を予測/評価するとともに、過充電や外部から加熱した際の焼損耐性を確認し、電池の品質評価を行う。焼損耐性の確認は電池単体での解析に加え、基板や実装部品を含む機器全体での解析にも対応している。
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