検索
連載

Apple「M2」プロセッサ搭載のMacBook Pro/Mac miniを分解するこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(71)(2/3 ページ)

今回は、Appleのプロセッサ「M2」に焦点を当てる。M2が搭載された「MacBook Pro」「Mac mini」を分解し、M2周りを解析した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

多数のシリコンが搭載されているパッケージ

 図3は、M2 Maxのパッケージの様子である。M2 Maxのパッケージ上にはグラファイトシートが上下に貼られている。またパッケージ中央にはヒートシンクと設置する部分に放熱ジェルが塗布されている。

図3:M2 Maxのパッケージ
図3:M2 Maxのパッケージ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 放熱ジェルを取り除くと、図3右のAppleロゴが現れる。Appleロゴの下には製品型名とモデル名(DRAMの容量やCPUコア、GPUコア数によってネームが異なってくる)が記載されている。またM2 Maxのパッケージは基板接続を行っている4隅にアンダーフィルを施している。

 このパッケージの中には非常に多くのシリコンが存在する。プロセッサシリコン、DRAMシリコン(複数個)、シリコンキャパシター(数十個)などだ。詳細は、当社の有償のテカナリエレポートで確認していただきたい。

 現在、Appleのプロセッサは、スマートフォン向けのAシリーズ、Mac向けMシリーズの全てでシリコンキャパシターが組み込まれており、「A16 BIONIC」では1つのパッケージ内に15個のシリコンが入っている。また現時点でApple最上位のプロセッサであるM1 Ultraでは、パッケージ内にプロセッサが2個、シリコンインターポーザー、DRAMなどに加え非常に多くのシリコンキャパシターが組み込まれており、実に135個ものシリコンが入ったものとなっている。M2 Maxもかなりの数のシリコンがパッケージ内に組み込まれていて、機能と特性(電力性能と低ノイズ)を高いレベルで両立させたものになっている。

 図4に、M2 Max版MacBook Proの基板上の主要チップを示す。中央のプロセッサを取り囲むように電源部品と電源ICが並んでいる。電源ICはプロセッサと対になっており、いわゆるチップセットとなっている。Appleは現在、ほぼ全ての製品で自社製の電源ICとプロセッサをセット化していて、M2 Max版MacBook Proでは2個の電源ICが組み合わされている。

図4:M2 Max版MacBook Proの基板上の主要チップ
図4:M2 Max版MacBook Proの基板上の主要チップ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

プロセッサを支える電源系IC

 基板の裏面もプロセッサを支える電源系となっている。詳細は記さないが、M2 Max版MacBook Proの基板には、Apple製シリコンが10個以上(裏面や小チップ含め)採用されている! 基板の下端にはNAND型フラッシュメモリが搭載されている。当社ではメモリ容量が若干少ないモデルを購入しているので、NAND部分の半分はチップが実装されていない(基板左下)ものとなっているが、フル容量を搭載したモデルの場合には、基板左下の未実装部にもNANDフラッシュが搭載されている。基板の右上端にはUSB4の端子が並んでおり、インタフェース用のチップが多数並ぶ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る