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日本電熱、熱制御機器の新工場で量産開始:半導体製造装置向け
日本電熱は2023年3月7日、半導体製造装置メーカー向け熱制御機器の製造に特化した新棟の稼働を開始したと発表した。生産能力は1.5倍になる見込みだ。
エア・ウォーターのグループ会社で、各種電熱機器の製造/販売を手掛ける日本電熱は2023年3月7日、半導体製造装置用の熱制御機器の増産のために建設を開始していた本社(長野県安曇野市)工場内の新棟が完成、稼働を開始したと発表した。投資額は、生産設備費を含めて約35億円。延べ床面積は6260m2で、生産能力は従来比で1.5倍になる見込みだ。
今回稼働を開始した新棟は、昨今の半導体や半導体製造装置の需要増、ならびに半導体の微細化/積層化に伴い重要性が増している熱制御技術を、国内大手半導体製造装置メーカーに提供するために2022年1月から建設していたものだ。
日本電熱はリリースで、「長年培った熱の制御技術を強みとして、ウエハーを均一に加熱する熱板や冷却用のクーリングプレートなど、半導体の製造工程で不可欠な熱制御機器を提供している。今後も、高精度な製品の提供を通じて、スマート社会の実現に貢献していく」と語った。
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