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電池の残量を正確に測るIC、ヌヴォトンが展示LiBのリユースを促進

ヌヴォトン テクノロジージャパンは2023年3月に開催された「第14回 国際二次電池展(春)」で、機器に搭載されているリチウムイオン電池の残量を測定するバッテリーマネジメントIC(BMIC)のデモを披露した。

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 ヌヴォトン テクノロジージャパン(以下、ヌヴォトン)は「第14回 国際二次電池展(春)」(2023年3月15〜17日、東京ビッグサイト)で、機器に搭載されているリチウムイオン電池の残量を測定するバッテリーマネジメントIC(BMIC)のデモを披露した。リチウムイオン電池の残存量を正確に把握する技術を提供することで、電池のリユースの促進に貢献したいと同社は述べる。

 今回デモを展示したBMICは、EIS(Electrochemical Impedance Spectroscopy:電気化学インピーダンス測定法)の技術をICに集積化したもの。周波数を変えながら交流インピーダンスの周波数特性を測定する交流重畳法を用いることで、電池を稼働させた状態でも交流インピーダンスを測定できる。

 この交流インピーダンスの測定値と、独自のアルゴリズムを使うことで、電池状態(SOC[State of Charge]/SOH[State of Health])を推定することが可能になる。これにより、従来は、専用測定器を使い数時間から1日かけて行っていたSOHの推定が、専用設備を使わなくてもわずか1分程度で行えるという。

 リチウムイオン電池は、EV(電気自動車)などの普及に伴い需要が高まっているが、資源枯渇への懸念や、製造や廃棄の工程で二酸化炭素を排出するといったことから、リユースの促進が求められている。「リサイクルや廃棄のために回収されたリチウムイオン電池は、使い切れていないことがほとんどだと聞いている」とヌヴォトンは説明する。EVでは、SOHが70%を切るとバッテリーパックを外して交換するのが一般的だ。「リユースしてバッテリーを使い切ることが、ますます重要になる。そのためには、電池の状態を高速に診断し、グレーディング(=Aランク、Bランクのようにランク付けをして選別すること)することが必要になる。交流インピーダンスの測定値は、そうした診断に有用な値であることが分かっている」(ヌヴォトン)

 今回のデモでは、14セルのバッテリーパックを評価する様子を示した。各セルの交流インピーダンスを測定し、結果をリアルタイムで表示していた。

デモの様子ヌヴォトンのBMIC デモの様子(左)と、ヌヴォトンのBMICを搭載したリファレンス基板[クリックで拡大]

各セルのインピーダンスの測定結果を表示していた(デモの都合上、測定結果が見られるのは6セルのみにしているという)[クリックで拡大]

 ヌヴォトンは「今後は、BMICで収集したデータを、データベース化することも検討している。より多くのデータを集めることで、機械学習を活用し、バッテリーの残存量をより高精度に推定することも可能ではないか」と説明した。将来的には、同社のBMICをバッテリーパックの中に搭載することも目指している。

 同社は現在、BMICの利活用におけるパートナー企業も探している。一例として、電池の回収からリユースに関わる企業を挙げた。

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