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電子棚札大手のSES-imagotagが、日本法人を設立ノジマやイオン九州が既に導入

フランスに本社を置く電子棚札大手のSES-imagotagは2023年4月6日、アジア太平洋地域の拠点として、日本法人を設立したと発表した。同社製品は、既にノジマやイオン九州などの数百店舗で導入されている。

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 フランスに本社を置く電子棚札大手のSES-imagotag(以下、SES)は2023年4月6日、日本法人を設立し、アジア太平洋地域において、小売業向けのIoT(モノのインターネット)ソリューションを販売開始したと発表した。

 同日に開催した記者説明会では、同社会長兼CEOのThierry Gadou氏、同じくエグゼクティブ バイスプレジデントのPascal Gerbert Gaillard氏が、日本法人設立の目的とソリューションについて説明した。

同社会長兼CEOのThierry Gadou氏(左)/同エグゼクティブ バイスプレジデントのPascal GERBERT GAILLARD氏(右)
同社会長兼CEOのThierry Gadou氏(左)/同エグゼクティブ バイスプレジデントのPascal GERBERT GAILLARD氏(右)[クリックで拡大]

何万店舗ものコンビニなど――アジア最大の小売市場「日本」

 Gadou氏は、日本法人を設立した理由について、「日本は、アジアで最も大きい小売市場を持っている。世界の大手小売企業500社のうち15社が本拠地を構えていて、特にコンビニは、日本国内に何万店舗とあり、魅力的な市場だ。日本は、これから人手不足や人件費の高騰(こうとう)が加速していくと考えられる。SESのソリューションを導入することで、業務を効率化し、利益率の改善や売り上げの向上に貢献する」と説明した。日本国内では既に、家電量販店のノジマの226店舗や、イオン九州などがSESのソリューションの導入を始めている。

 SESのソリューションは、世界62カ国/約350社/約3万5000店舗で導入されていて、顧客の約半数が小売業界の上位100位クラスの企業だ。デロイトがまとめている「小売業者インデックスTOP250」では、食品業界の約半数、薬局/ドラッグストアでは約4割が導入している。

SESのクライアント
SESのクライアント[クリックで拡大] 出所:SES

営業利益率が2〜3ポイント向上

 SESは、小売業における実店舗のデジタル化を目指し、電子棚札「ses imagotag」やクラウド to エッジ IoT管理プラットフォーム「Vusion」など6つのソリューションを提供している。

SESのソリューション
SESのソリューション[クリックで拡大] 出所:SES

 同社によると、店舗のデジタル化により、営業利益率が2〜3ポイント増加する可能性があるという。棚のリアルタイム監視により、人気商品の補充やタイムセールなどの価格調整を行うことで、人材の適正配置や収益性向上に貢献する。販売情報は、データとして収集/分析を行うことで、マーケティング効率を上げ、CPG(Consumer Packaged Goods)マージンも2〜3ポイントの向上が期待できる。

 記者説明会では、電子棚札の実機も展示された。電子棚札は、顧客の動向に合わせて値段を柔軟に変更できる他、対面の棚に取り付けたカメラで電子棚札の位置を認識することで、どの棚のどこが売れているのかを確認できる。利用者は、Vusionを使うことで、同社製品を活用して得られる情報をPC上で一括管理できる。

電子棚札Vusion 左=電子棚札/右=Vusion[クリックで拡大]

 Gadou氏は、小売業界の将来について、「小売店舗の完全無人化という話もあるが、それは、一部の大手企業が実施している限定的なものだと考えている。今後は、有人店舗における煩雑で付加価値の低い作業が自動化され、人間は、接客や体験価値の向上といった業務に集中できるようになっていくだろう。SESは、Vusionなどのソリューション提供を通じて、小売業界のデジタル化に貢献していく」と語った。

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