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ChatGPTは怖くない 〜使い倒してラクをせよ踊るバズワード 〜Behind the Buzzword(18)(9/11 ページ)

ある日突然登場し、またたく間に世間を席巻した生成AI「ChatGPT」。今や、ネットでその名を聞かない日はないほどです。このChatGPTとは、一体何なのか。既に数百回以上、ChatGPTを使い倒している筆者が、ChatGPTの所感をエンジニア視点で語ってみたいと思います。

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江端がChatGPTに対して「楽観的」な理由

 さて、ここまで読んでいただいたことからも明らかなように、私(江端)は、ChatGPTの使用に対して、好意的で、恐ろしく楽観的です。その理由を、以下の表にまとめてみました。

 どんなモノであれ、コトであれ、分からないものは、怖いものです。

 私も、ChatGPTを初めて使った時の「ゾクっ」としたあの感覚をよく覚えています。冒頭に述べた通り、「気持ち悪!」でした。ですが、今回のコラム執筆のために行った調査によって、その内容が分かってきて、今や、すっかり安心しております。

 これは、『膨大な時間と金さえかければ、ChatGPTと似たようなものを自分でも作れる』という確信(妄想)があり、その裏側には『ChatGPTは、まだ、私が理解可能な範囲の技術で作られている』、つまり、今の私は、まだ、ChatGPTについて、その利点も弱点も論じることができる段階にいる、ということです。

 本当に良い時期に、このテーマのコラムをいただいたと、EE Times JapanのMさんには感謝の言葉もありません。そして、私は、その立ち位置(AI技術コラムの執筆担当者)のおかげで、この安心感を獲得できるという幸運にめぐまれました。

 しかし、多くの人にとって、強化学習、自然言語処理、ニューラルネットワークなどは、チンプンカンプンの内容だと思いますし、そういう人たちの恐怖というのは ―― 例えるのであれば、コロナワクチンへの恐怖と似たようなものがあると思います(関連記事:「「それでもコロナワクチンは怖い」という方と一緒に考えたい、11の臨床課題」)。

 特に、ChatGPTは、AI技術史上、もっともユーザーフレンドリーなインタフェースですから(質問フレーズを放り込むだけ)、その恐怖もダイレクトに感じてしまうのではないか、と思います。

 これをなんとかする方法があるのかどうか考えましたが ―― 正直なところ、私さえ安心できれば、他の人のことはどうでもいいです(今さら、偽善者ぶっても仕方ない)。

 それと、私は、いずれChatGPTは、個人単位で運用されるようになる時代がくる、と踏んでいます。そうなると、多分、私たちの中に潜む、AI恐怖症(AIフォビア)も、程なく解消されると考えています。

まったく、世の中にはすごい人がたくさんいるものです

 とはいえ、かつてのAI研究に従事した研究員としては、やはり自己批判しなければならないことも多いです。

 これらについて、一つ一つを語る気力はありません。もう私は、敗北一色です。

 まったく、世の中には、ぶっとんだ発想を、本当に実現してしまうすごい人がいるものです。私も研究員として生きている以上、人生で一度くらいは「すごい人」と言われたいものです

 まあ、「すごい人」とは言われているんですけどね ―― ただ、「すごい」の意味が全然違うようですが(関連記事:「―実践編(目次)――英語に愛されない私たちの行動原理「目的は手段を正当化する」」)。

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