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EUV適用1γ DRAM、広島工場では2026年に生産開始EUV装置の導入規模は明らかにせず

Micron Technologyは2023年5月22日、EUV(極端紫外線)リソグラフィ適用の1γノードDRAMの生産発表に併せて広島工場で記者会見を実施した。

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 Micron Technology(以下、Micron)は2023年5月22日、同社の広島工場(広島県東広島市)で、1γ(ガンマ)ノードのDRAM製造に関する記者会見を開催した。同社は5月18日、EUVリソグラフィ技術を適用した1γノードのDRAM(以下、1γ DRAM)を、2025年以降に広島工場で生産開始すると発表した。併せて、広島工場に最大5000億円を投資することも発表している。

 今回の記者会見は、その発表に併せて開催したもので、Micronの社長兼CEO(最高経営責任者)であるSanjay Mehrotra氏、マイクロンメモリジャパンの代表取締役を務めるジョシュア・リー氏、同開発部門CVPの白竹茂氏、広島県知事の湯崎英彦氏、東広島市長の高垣廣徳氏が出席した。

Micronの社長兼CEO(最高経営責任者)であるSanjay Mehrotra氏
2023年5月22日の記者会見に登壇したMicronの社長兼CEO、Sanjay Mehrotra氏

 Mehrotra氏は会見で、「Micronは半導体製造において日本で初めてEUVリソグラフィ装置を導入することになる。EUV技術は最も複雑で洗練された製造技術を必要とする。今回のEUV適用DRAMの製造により、広島においてEUVのエコシステム全体が活性化される」と語った。

 Mehrotra氏によると、現在はEUV装置導入に向け認定作業を進めている段階で、2024年内にもその認定を取得できる見込みとする。広島工場へのEUV装置導入は2025年、生産開始は2026年を予定している。Micronは広島工場において、EUV装置導入に向けた拡張を既に終えており、「1γ DRAMの生産に向けた広島工場のさらなる拡張は、現時点では予定していない」(同氏)という。なお、台湾工場では、広島工場よりも1年早い2025年に、EUV適用1γ DRAMの製造を始める計画だ。ただし、EUV装置の導入台数や、高NA(開口数)の最新機種かどうかについては具体的な言及は避けた。

人員削減や、中国によるMicron製品調達禁止についても言及

 中国当局は2023年5月21日、「Micronの製品が国家安全に多大なリスクを与える」として、主要インフラ事業者によるMicron製品の調達を禁止すると発表した。これについてMehrotra氏は「現在、中国当局の措置内容を精査しているところだ。同時に、われわれの顧客に対して継続的なサポートができるよう働きかけていく」とコメントした。

 さらに、「Micronは、2023年に人員を約10%削減すると発表しているが、この10%に広島工場の従業員が含まれているのか。広島工場での追加雇用はあるのか」という質問に対し、Mehrotra氏は「半導体業界は厳しい状況が続いていて、当社でも対策の必要がある。広島工場ではEUV技術を導入するので、それに伴い、才能ある人材確保の機会はあるだろう。EUV装置にはエコシステムが不可欠なので、そのエコシステム形成に向けた新たな雇用機会は生まれるはずだ」と述べるにとどめた。


ウエハーを掲げる広島県知事の湯崎英彦氏(左)とMicron CEOのSanjay Mehrotra氏。なお、このウエハーの製造プロセスノードは「非公開」(Micron)とした。

日米11大学で半導体人材育成に向けたプログラムを創設

 Micronは2023年5月21日、半導体産業の人材育成を目的としたプログラムの創設も発表した。「U.S.-Japan University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors(UPWARDS) for the Future(半導体の未来に向けた人材育成と研究開発のための日米大学パートナーシップ)」というプログラムで、日米両国で、より高度な技術を持つ半導体人材の育成と、新たな研究活動の推進を支援する。同プログラムには、米ボイシ州立大学、パデュー大学、広島大学、九州大学、名古屋大学、東北大学、東京工業大学など日米11の大学がパートナーとして参加する。Mehrotra氏は、「半導体産業のパイプラインや学生に向けての支援を強化し、半導体競争における(日米の)優位性とレジリエンスを確立することを目指す」と強調した。

 広島県知事の湯崎氏は、MicronのEUV技術導入について「広島県の経済の発展に一層のはずみがつくと期待している。広島県としても、必要となるインフラの整備や高度な技術を持つ半導体人材の育成などを通じて、今後の継続的な投資を実現できるよう、環境整備に取り組んでいく」と語った。

 東広島市長の高垣氏は「東広島市における、半導体関連会社の集積をさらに加速させるものとして期待している。東広島市が、次世代の学園都市作りを目指す中、MicronによるEUV技術の導入は、イノベーションを核とする東広島市のまちづくりに大きなインパクトを与える発表である」とコメントした。

左から、マイクロンメモリジャパンの代表取締役を務めるジョシュア・リー氏、広島県知事の湯崎英彦氏、Micronの社長兼CEOであるSanjay Mehrotra氏、東広島市長の高垣廣徳氏、マイクロンメモリジャパン 開発部門CVPの白竹茂氏
左から、マイクロンメモリジャパンの代表取締役を務めるジョシュア・リー氏、広島県知事の湯崎英彦氏、Micronの社長兼CEOであるSanjay Mehrotra氏、東広島市長の高垣廣徳氏、マイクロンメモリジャパン 開発部門CVPの白竹茂氏

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