Micron、EUV適用の1γ DRAMを広島工場で製造へ:2025年に立ち上げ予定
Micron Technologyが、EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を適用した1γノードのDRAMを、広島工場で製造すると発表した。1γノードの立ち上げは2025年以降を予定している。
Micron Technology(以下、Micron)は2023年5月18日、EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を適用した1γ(ガンマ)ノードの次世代DRAMを、同社の広島工場(広島県東広島市)で製造すると発表した。日本政府による支援を前提に、今後数年間で1γノードに最大5000億円を投資し、2025年以降に日本および台湾でEUV適用の1γノードを立ち上げる計画を進める。
同社はプレスリリースで「Micronは、日本で初めて量産にEUV技術を導入する半導体企業となる。広島工場は1γノードの開発で重要な役割を果たす」とコメントしている。
Micronは2022年11月に、1βノードのDRAMの量産を開始したと発表した。その際、「Micron独自のマルチパターニング技術は、さまざまなパラメータにおいてEUVリソグラフィで実現できる指標を上回っている」として、コストパフォーマンスの点でも有利な液浸リソグラフィを当面採用していくことを発表していた。同時に、「EUVの導入は1γノード以降になるのではないか」ともコメントした。
Micronは、2022年5月に開催した投資家向けのカンファレンスで、EUVを用いた1γノードのDRAMを2024年以降に立ち上げる計画と発表している。
日本では、高圧ガス関連の法律によりEUVリソグラフィ装置の輸入に障壁があるといわれていた。1β DRAMの量産開始を記念して2022年11月に広島工場で行った式典では、それに対し「広島工場での将来的なEUV導入の可能性も見据え、高圧ガスのコンポーネントの承認に向け、キーサプライヤーや日本政府に働きかけをしている」(同社グローバルオペレーションズ エグゼクティブバイスプレジデントのManish Bhatia氏)と説明していた。
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